「利他主義」と「利己主義」の意味と違い、そこから見える本質を考える

人間関係・自己啓発

世の中では、利己主義は悪、利他主義は善と捉えられております。特に、個人より集団を重んじる傾向のある日本ではこの傾向が強く表れています。

しかし、利己主義は本当に悪なのでしょうか?利他主義は本当に優れているのでしょうか?

というわけで、今回は利他主義と利己主義の意味と違いについて説明し、それぞれの本質について考えたいと思います。

利他主義について

利他主義の意味は?

辞書によると、利他主義の定義は次のようになっています。

自分を犠牲にしても他人の利益を図る態度・考え方。

引用:三省堂 大辞林第三版

要するに「他人の利益を最優先にする態度・考え方」と言えます。

この定義を見ると善に思われますよね。確かに、自分を犠牲にして誰かにために動くことは美しいことです。

具体例を挙げるなら、ボランティアでしょうか?ボランティアは対価を得ずに人のために奉仕しますからね。このように考えると、利他主義は素晴らしく社会を豊かにするものと結論付けられそうです。

しかし、それは本当でしょうか?現実的な考え方なのでしょうか?

利他主義の本質と限界

僕も利他主義を否定するつもりはありません。しかし、限界があることは厳然とした事実です。

その限界とは自分の幸せを追求できず、持続可能性に乏しい点です。

具体例として、刹那的な利己主義者に搾取されてしまうという点が挙げれます。ここにおける刹那的な利己主義者とは「他者に損失を与えて、自分だけが利益を得る考えを持つ人」と定義しています。

昨今話題に上がる言葉で例えるなら、「やりがい搾取」とも言えるかもしれません。

このように、利他主義は素晴らしい思想であるものの自分の幸せを追求できず持続可能性に乏しい点から現実的に難しいと言えるでしょう。

利己主義について

利己主義の意味は?

辞書によると、利己主義は次のように定義されています。

自分の利益を最優先にし、他人や社会全般の利害など考えようとしない態度。身勝手な考え方。エゴイズム。自己主義。

引用:三省堂 大辞林第三版

要するに「自分の利益を最優先にする態度・考え方」と言えます。

確かに、この定義を見ると悪のように思われますよね?

典型的な利己主義者及び集団を考えてみると、詐欺師や悪徳企業などが挙げられるでしょう。他人の利害なんて考えていないですもんね。

このように考えると、利己主義は否定されるべきものと結論付けられそうです。

しかし、本当にそうでしょうか?

利己主義の本質とは?

先ほど、利己主義は自分の利益を最優先する態度と説明しました。

「他者に損失を与えて利益を得ること」「他者に利益を与えて利益を得ること」のどちらが、自己の利益を最大化させる上で合理的でしょうか?

近江商人の「三方良し」(売り手良し・買い手良し・世間良し)の観点からみても、後者が正しいと考えられるでしょう。

また、ことわざにも「情けは人の為ならず」(人にかけた情けは巡り巡って自分に返ってくる)というものがあります。

現実にも、莫大な利益を上げている企業は総じて、世界の発展に寄与していますもんね。アップルしかり、トヨタしかり…

以上のことから分かるように、自分の利益を持続化・最大化するためには他人や社会に利益を与えなければならないのです。つまり、利己主義を合理的に追求すると、利他的にならざるを得ないわけです。

そう考えると、利己主義を追求するのも一概に悪いと言えないのではないでしょうか?それが結果として利他につながるわけですからね。

まとめ

  • 利他主義とは?
    自分を犠牲にしてでも他者に利益を与える態度・考え方のことです。
  • 利己主義とは?
    自分の利益を最優先し、他者や社会への利害を考慮しない態度・考え方のことです。

    利己主義にも2つの種類があります。一つは刹那的な利己主義です。これは短期的な自己の利益を得るために他者に犠牲を強いる考え方です。詐欺師や悪徳企業が分類されます。

    もう一つは、合理的な利己主義です。これは長期的に自己の利益を最大化するために、他者にも利益を与えるという考え方です。アップルやトヨタなど世界的な企業が分類されます。

  • 利他主義の本質は?
    利他主義の思想自体は立派ですが、現実的には難しいものがあります。自分の幸福を追求しづらく、持続可能性に欠けているためです。
  • 利己主義の本質は?
    合理的な利己主義は自分の幸福を追求することができ、結果的に他人・社会の幸福にもつながります。それは、近江商人の「三方良し」の精神と共通しています。