ダウンロード不要!論文のグラフデータを数値化する技

企業や大学で研究していると古い論文のグラフを数値化して使用する機会が多くあります。その分野の始祖になっている場合もあります。

また、古い論文でなくても、海外論文などのグラフの数値データを貰えるかわかりません。問い合わせるのもかなりの手間になります。

その上、セキュリティレベルの高い大学や企業では、ダウンロード制限がかかっていることもあり、フリーの数値化ソフトをダウンロードできない場合もあります。

というわけで、今回はオンライン上でグラフデータの数値化が可能なサイトと簡単な具体例をご紹介したいと思います。

この記事で分かること
・オンライン上でのグラフ数値化方法
・自動グラフ化機能の使用法

グラフの数値化ツール

WebPlotDigitizerへのアクセス

https://automeris.io/WebPlotDigitizer/ にアクセスすると、以下のような画面が出てきます。次に、「Launch Now!」をクリックします。

画像ファイルを読み込む

赤枠で囲まれている[Load image]をクリックします。

クリックすると、次の画面が出てきます。

ファイルを選択して、アップロードするグラフの画像を決定すると、以下のような画面が出てきます。普通のX軸、Y軸グラフならば、そのまま2D(X-Y)Plotを選択してください。

今回は、一番使用頻度の高い2D(X-Y)Plotを使用していきます。

・2D Bar Plotは棒グラフの画像を使用する場合に選択。
・Polar Diagramは極座標系グラフを使用する場合に選択。
・ternary Diagramは三角ダイアグラムを使用する場合に選択。
・Map with scale Barはスケールバーがあるマップを処理する場合に選択?
・Imageはピクセル解析をする場合に選択。
 

軸の設定

先ほどの画面の「Aline Axes」をクリックすると、以下の軸の設定方法の画面が出てきます。「proceed」をクリックすれば、次の画像のところに進めます。

グラフ軸の既知の4点を赤字の番号順にクリックしてください。2つはX軸上で、もう2つはY軸上でクリックしてください。

先ほどの説明に従い、軸の設定を行います。すると、以下のようにグラフ上に「X1、X2、Y1、Y2」が表示されます。そうしたら、右の「complete」をクリックします。

次に、プロットした点の値を入力します。今回の場合は対数グラフではないので、Logスケールは使用しません。

仮に、対数グラフを数値化する場合には、[Log Scale]の部分をチェックをしておきましょう。対数はX軸とY軸の両方に設定することもできるので、両対数グラフにも対応しています。

それぞれの入力欄に、数値を入力します。入力できていることが確認できたら、下の「OK」を推します。

これで軸の設定は完了しました。

プロットの設定

Add Point」の欄が薄い赤色になっていること確認して、プロット点をクリックしていきます。もし、プロットが大きくずれてしまったら、「Delete Point」で消去しましょう。

プロットの微調整をするときは、「Adjust Point」を選択しましょう。その状態で、プロットをクリックすると緑表示になり、十字キーでの微調整が可能になります。

全てのプロットが完了したら、左端の「View Data」をクリックしてください。

データの出力

View Data」をクリックすると、以下のような画面が表示されます。あとは、「Download .CSV」でダウンロードしてください。CSVファイルですので、EXCELで開けます。

応用編(曲線の自動プロット)

先ほどのような単純なプロットだけではなく、時には連続的な曲線を数値化する必要があります。その時に、一つ一つ点をプロットしていたら大変ですよね?

このWebPlotDigitizerには、そのような面倒な作業を一瞬で終わらせる機能があります。

例として次のグラフを数値化したいと思います。

先ほどと同じ手順で画像を読み込みます。使用するのは、「Automatic Extraction」の欄です。まず、グラフの線と同様の色を「Foreground color」の右横をクリックして選択します。

その次に、グラフの範囲指定を行います。右下のBoxをクリックした後、グラフ上をドラッグして取得したグラフの範囲を以下のように決定します。そして、右下の「Run」をクリックします。

すると、以下のようにプロット点が自動で出力されます。出力間隔に関しては、Δx、Δyの横の入力欄のpxcel値を変更して調整することが出来ます。出力方法は先ほどと同様なので割愛します。

まとめ

  • 面倒なダウンロードなしで、論文などのグラフを数値化できます。
  • 曲線グラフも自動プロット機能を使用すれば、簡単に数値化可能。
  • 極座標系や三角ダイヤグラムなどの特殊なグラフにも対応しています。
  • 対数グラフについても数値化可能。

質問がありましたら、気軽にコメントください。可能な範囲で対応いたします。