おがさわら丸での過ごし方と必要なもの【小笠原旅行・航海編】

先日、小笠原諸島へと旅行に出かけておりました。ちなみに、小笠原へのアクセス方法はおがさわら丸(船舶)のみで所要時間は24時間となっています。往復で考えれば、丸々2日間船内に閉じ込められるわけです。ですので、船内での過ごし方も重要になってきます。というわけで、本記事ではおがさわら丸での過ごし方と必要なものについてお話します。

おがさわら丸での過ごし方

食事をする

レストランChichi-jima(上の写真)と展望ラウンジHaha-jima(下の写真)で食事をすることができます。Chichi-jimaのほうがメインのレストランでHaha-jimaのほうは軽喫茶のような感じです。当たり前のことですが、陸にあるレストランと比較して価格は全体的に高めです。個人的なおすすめは、メカジキの生姜焼き(Chichi-jima:1500円)、ソフトクリーム(Haha-jima:350円)ですよ。

引用:小笠原海運

 

また、自動販売機及び売店ではカップ麺を比較的安価で購入することが出来ますよ。カップヌードルは170円、ラ王などのカップ麺は240円程度でした。ですので、船旅での食費を抑えたい方はカップ麺でなんとかすることもできます。まぁ、個人的にはお勧めしませんがね…そのほかにも、一通りの食品・飲料は揃えられています。菓子パンとかアイスとかコーヒーとかお菓子とかね。個人的には、朝食後に甲板(デッキ)で海を見ながら飲むコーヒーが最高でした。海風を浴びて飲むコーヒーは心地よいですよ。

そして、もう一つおすすめするスポットはミニサロン南島です。ここには、セブンティーンアイスの自動販売機があります。ちなみに、価格は140~170円程度で内地とあまり変わりません。船内にいると、空気のよどみのせいか体が火照ることがあります。そういう時に、アイスを食べると気分転換できますよ。気分転換は船酔い対策にもなり得るので、おすすめですよ。

デッキ(甲板)に出る

東京湾を出ると、時速約40kmで航行します。海風が心地よいので気分転換として、デッキに出るのがおすすめです。天気が良ければ、景色も素晴らしいので、船旅の間一度は船外に出てみましょう。私が乗船したときはこんな感じでした。なかなか綺麗じゃないですか?

ただし、おがさわら丸の航行速度は結構速いので、帽子やビニール袋など飛びやすいものには用心しましょう。風が強いのが嫌な方は、6・7番デッキの後方部がおすすめです。ちなみに、8番デッキは遮るもののない分かなり強い風が吹きます。また、デッキには水しぶきが飛んでくるので、注意してください。(特に海が荒れているとき)

船内でくつろぐ

荒天・雨天・夜間の時は、船内に閉じ込められることになります。しかも、海の上ですので、携帯の電波はほとんど通じません。ただし、東京湾内および房総半島・大島・三宅島・八丈島周辺海域は船内ではつながらないぐらい微弱ですが、電波が通じます。その時は甲板で電話している人も何人か見かけました。

以上のことから、ネットに頼らない暇つぶしが必要になります。また、太平洋を航行するため船体が大きく揺れます。というわけで、暇つぶしの方法を船酔いのしやすさ順にまとめてみました。一度、船酔いすると航行中ずっとしんどくなってしまうので、くつろぎ方の選択も意外と重要ですよ。

酔いやすさMaxの暇つぶし

ゲームと読書は船酔いを強く誘発します。私も初めはPCでゲームをしたり、読書をしたりしていましたが、途中で少し気持ち悪くなってしまいました。酔い止めを飲んでいたので、なんとか助かりましたが…以上の経験から、船酔いしやすい方はゲームや読書は控えたほうがいいと感じました。実際、アネロンという酔い止めを販売しているエスエス製薬のウェブサイトにもこのような記述がありました。

乗り物に乗っている最中のゲームや読書なども、視野が狭くなることで外部の状況に適応することが難しくなるため、乗り物酔いを引き起こす要因となることがあります。

引用:エスエス製薬 アネロン 乗り物酔いの原因とは?

多少酔いそうになる暇つぶし

ゲームや読書と同じく視野は狭くなるものの、あまり集中する必要がないので、端末にダウンロードした映画やテレビの視聴は比較的酔いにくいです。特2等室以上には自分が自由に操作できるテレビがありますが、2等寝台および2等和室にはありません。一応、2等和室には、テレビはありますが、共用のために非常に使いづらいです。当たり前のことですが、航海中地上波の電波は届かないので、BSしか見ることができません。以上のことから、あまりテレビでの暇つぶしには限度があります。

というわけで、個人的にはダウンロードした映画の視聴をおすすめです。有名どころでいえば、アマゾンプライムビデオやネットフリックスなどがあげれます。これらの映像配信サービスにはダウンロード視聴という機能があり、事前に映像をダウンロードしておくことができます。これにより、圏外の場所においても映画を視聴することが出来ます。アマゾンプライムでのダウンロード視聴方法に関してはこの記事を参考にしてくださいね。

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基本的に酔わない暇つぶし

アネロンを製造しているエスエス製薬のネット記事にこんなものがありました。補足ですが、耳から脳に送られる情報は、音声ではなく、平衡感覚のことを指しています。

一般的には、耳と目のそれぞれから脳に送られる情報のズレにより混乱が生じることで、自律神経がうまく機能しなくなり、乗り物酔いを引き起こすと言われています。

引用:エスエス製薬 アネロン 乗り物酔いの症状とメカニズムについて

以上のことから考えてみると、目を使わない暇つぶしは酔いに影響を及ぼしにくいということになります。個人的におすすめなのは、「人との会話」、「カードゲーム」、「音楽を聴く」、「本を聴く」です。

家族連れや友人連れの方は「会話」をしてくつろぐと良いでしょう。会話をするのにおすすめな場所は展望ラウンジHaha-Jimaです。ただし、ここのラウンジは非常に混雑しており、運が悪いとギャーギャーと騒ぐ人がいるのでご注意ください。確実に席を確保したい方は昼食時・夕食時など人がレストランChichi-Jimaに集まる時がねらい目ですよ。

大人数での旅なら、トランプもおすすめですよ。私のグループは持ってくるのを忘れましたが…楽しいそうにトランプをしている人達をそこら中で見かけたので、持参することをおすすめします。売店にはなかったので、あらかじめ購入しておきましょうね。

イヤホンをつけて、「音楽を聴く」のもよいでしょう。目を使わないので、基本的に酔いません。海が大荒れの時は動画をみることさえしんどくなるので、一応準備しておいたほうがよいです。ちなみに、私は入眠前に音楽を聴いていました。クラスの低い客室ほど、エンジンの騒音と他の客のいびきで眠りづらくなるので、イヤホンを通して自分のお好みの曲を流すのもよいと思います。(本格的に寝るときは耳栓に変えます。)

もう一つおすすめなのがアマゾン「Audible」という本の朗読サービスです。30日間の無料体験期間がありますので、興味のある方は一度お試しになってはいかがでしょうか?ただし、朗読サービスという性質上コンテンツが少ないことが問題です。それでも、本の種類は40万冊を超えていますので、2日分の読書量なら十分に事足りると思います。読書は好きだけど、乗り物酔いしやすい人には最適な選択肢だと思います。

寝る

時間を持て余すようなら、寝るのが最強です。気づいたら、8時間くらい経ってますからね。睡眠中に酔うことなんてありませんから酔いやすい人からすれば最適な選択肢です。2等寝台以上の客室であれば、ベッドがあるので快適に眠れると思います。問題は2等和室です。運賃が最安な分、寝心地は悪いです。まぁ、仕方ないことですけどね。というわけで、2等和室でできるだけ快適に眠る方法についてお話していきます。2等和室の問題点は主に4つあります。それは、光・音・気温・湿度です。

雑魚寝という性質上、消灯時間(22:00)と点灯時間(6:00)が定められており、自由に明かりを調整することが出来ません。もちろん、消灯と言っても完全に真っ暗になるわけではありません。場所が悪ければ、夜間照明に顔面が照らされることもあります。これは実際に私が体験しました…そういうときに役立つのがアイマスクです。アイマスクがあれば、点灯中であっても自由に寝られますので、持っていくことをおすすめします。アイマスクの縛られる感じが嫌な人はフード付きのパーカーを持っていきましょう。パーカーをかぶれば、案外暗くなりますよ。

次に、音の問題です。2等和室では8人程度が雑魚寝をすることになるので、大体誰かがいびきをかきます。フランスベット株式会社のいびきに関する記事によると、成人の約50パーセントがいびきをかくようです。このデータをもとに8人部屋でいびきのする人と当たらない確率を計算してみると、0.57になります。この数字は約0.8パーセントに相当します。つまり、8人部屋であれば、約99パーセントの確率でいびきをする人と遭遇することになるのです。こういうリアルな数字を見ると、いびき対策に耳栓を準備することがいかに重要であるかがお分かりいただけると思います。いびきだけでなくエンジン音なども聞こえることがあるので、耳栓は必ず持参しましょう。

次に、気温の問題です。こちらも雑魚寝という性質上、温度を自由に変えることが難しいです。ですので、服装や寝具などで調節する必要が出てきます。暑がりな人は、薄手の寝間着を着たり、掛け布団を使用しなかったりすればよいと思います。また、寒がりな人は、厚手の寝間着を着たり、受付に行って毛布を借りたりする(200円)とよいですよ。

最後に、湿度の問題です。これは、2等和室に限らずあらゆる宿泊施設にも言えることですが、乾燥します。寝るときには乾燥対策に必ずマスクをしましょう。マスクを着用していなかった友人は翌日乾燥でのどが痛いと嘆いていました。ですので、マスクを持参することを強くお勧めします。

必要なもの

  • バスタオル・タオル
    バスタオル及びタオルの貸し出しはありませんので、自身でしっかり用意しておきましょう。売店で買うのはもったいないですよ。

  • アイマスク(2等和室)
    アイマスクがあると点灯時間でも自由に寝ることができるので、必ず持参しましょう。周囲が明るいと想像以上に寝にくいものですよ。

  • 耳栓(2等和室・2等寝台・特2等寝台)
    耳栓はいびき等の騒音に対する防衛手段として非常に有効です。特に2等和室の方は必ず耳栓を持参しましょう。

  • 寝間着の上に着るもの(2等和室・2等寝台・特2等寝台)
    先ほども言ったように、自由に温度を設定することが出来ません。寒かった時のために、一着余分に持ってきましょう。

  • マスク
    先ほども言ったように、乾燥を防ぐためのマスクは重要です。また、雑魚寝の場合はほかの人から風邪を貰えかねません。行きの船で風邪をひいたら、せっかくの小笠原旅行を楽しめなくなりますよね?というわけで、必ずマスクは持参しましょう。

  • 歯ブラシなど通常のお泊りセット
  • 本・ゲーム
    暇つぶしができます。酔いやすい人にはお勧めしません。
  • 酔い止め
    太平洋や冬の日本海などを航行した経験があり、それで酔ったことのない人はいらないと思います。逆に、それ以外の方は乗り物酔いをしたことがない人でも念のため酔い止めを飲んでおきましょう。私も普段は全く乗り物酔いをしないタイプですが、それでも船酔いしかけました。船酔いはほかの乗り物酔いとレベルが全く違いますので、ご注意ください。

まとめ

丸々1日船の中に閉じこもるのはなかなか大変です。特に海が荒れているときはやばいです。縦にも横にもグワングワン揺れます。友人曰く冬の日本海には及ばないらしいけど、それでもかなりのものでした。車酔いと違って逃げ場がありませんから、酔い止めはちゃんと飲んでおきましょう。また、一日中ネットが使えない環境は相当不便です。暇つぶしの道具は大目に持っていきましょう。

それでも小笠原に行く価値はあると思います。今まで見たことのないこんな絶景に出会うことができますからね。