指示待ち人間は悪くない?仕事を指示待ちしてしまう心理と原因について

一般に、指示待ち人間は悪いと判断されます。

ただ、最近では指示された仕事をこなせば十分ではないか?と主張する人がいるのも事実です。

最近では、後者を肯定する意見もよく見られます。努力をしても金銭的に報われ辛くなっている昨今の世相を反映しているのもかもしれません。

そこで、今回は指示待ち人間は悪くない?仕事を指示待ちしてしまう人の心理と原因を解説します。

この記事をお読みいただければ、「指示する前に動け」という対症療法的な発言ではなく、指示待ち人間になる原因を理解した上で対策を取れるようになります。

指示待ちしてしまう人の心理と原因

責任を取りたくない

指示を受けて行った仕事の責任は、指示した者が負います。

つまり、指示待ち人間になれば、責任を負うことを回避できるわけです。

一方で、指示を受けず自発的に行動すれば、その責任は自分の身に降りかかってきます。

上司に報連相をキチンとしていればその限りではありませんが、時と場合によっては、自分が責任を取る必要が出てきます。

ですから、指示待ち人間は言われたことだけを行い、責任回避を狙っているのです。

仕事量が多い

仕事量が多いのも指示待ち人間になる要因です。

指示される仕事量が多ければ、自分で考えて行動するための時間と体力がありませんからね。

社員の自発性に期待するのであれば、仕事に余裕を持たせることも大切です。

特に、優秀な人間には、多くの仕事が回ってくるので、上司・先輩などが業務量を調整してあげることも必要かもしれません。

仕事が面白くない

人は興味のあるものなら、モチベーションを維持しやすく頑張れます。

逆に、仕事に興味がなければ、必要最低限の作業であってもつらく感じます。

例えば、ティッシュ配りのアルバイトがあったとします。もし、この仕事に興味を持っていれば、多くの疑問が浮かぶことになります。

例を挙げると、ティッシュを受け取りやすい人の特徴は?受け取る確率の高い場所と時間は?声掛けの際のティッシュの差し出し位置は?受け取ってもらいやすい声質と表情は?などなど

このように多くの仮説を自分で考えて行動するには、仕事に興味を持つことが大切です。

この興味は、他人に強制されて生まれるものではありませんから、上手く興味を引き出すようなマネジメント能力が必要とされます。

自信がない

指示待ち人間は自信がない傾向があります。

自信のない人は自己判断することを嫌います。自分の決断に自信を持てませんからね。

そのため、上司やリーダーの指示を待ってしまうわけですね。要は、他者の考え>自分の考えと決めつけてしまっているわけです。そうなると、指示待ち人間になります。

この問題に対する対策は、自信です。自信を持つためには成功体験が必要です。ですから、日々の業務で成功体験を積み上げることが重要となります。

向上心がない

指示待ち人間は向上心が乏しいです。

向上心がないということは、現状に満足しているのです。自分で工夫するという意識も低下して、指示待ち人間になりやすくなります。

このような問題の背景にも、成功体験の乏しさが挙げられます。

成功体験が少ないと努力することに価値を感じなくなってしまいますからね。

成功体験を積み上げるためには、失敗を避けて通れません。そのような時には、落ち込むこともあるでしょう。以下の記事には失敗した時の立ち直り方を記載しているので、ご参考ください。

仕事の失敗で落ち込んだ時の7つの立ち直り方を分かりやすく解説

指示待ち人間が良くない理由

指示待ち人間が良くない理由として、次の2つに挙げられます。

成長できない

指示待ち人間が良くない理由は、成長速度が遅くなるためです。

成長速度が遅くなるのは、自分で考えて行動するというプロセスをあまり経験しないからです。

これをPDCAサイクルに例えると、Do(実行)ばかりしていることになります。

そうなると、成長速度はどうしても遅くなってしまい、会社から重宝されなくなります。

ですから、仕事において自己成長を目指す方は、指示待ち人間を脱却する必要があります。

人のミスを見抜けない

時には上司やリーダーからの指示が誤っていることもあります。

そのような場合、指示待ちタイプの人間は疑問を持たず、指示を忠実に実行します。

自分で考えて行動できる人は、指示に疑問を感じます。そうすれば、ミスを未然に防げます。

以上のように、指示待ち人間は人のミスを見抜けない傾向があります。

指示待ちのメリット

指示待ちのメリットは「何も考えなくて楽」という点です。

そりゃ、与えられた仕事だけを淡々とこなせばよいですからね。負荷としては、自分で考えて行動するよりも相当楽になります。

ですから、仕事はお金を得るための手段と割り切り、プライベートで人生を充実させたいと考えている方は、指示待ち人間でいることも悪くないです。

ただ、能力の向上はあまり期待できないので、将来的に会社から重宝されないリスクがあります。

まとめ

組織において指示待ち人間が多いのは良い状態ではありません。

その理由は、次の通りです。

  • 成長できない
  • 人のミスを見抜けない

ですから、指示待ち人間を減らす必要があります。そのためには、指示待ちしてしまう人の心理・原因について知る必要があります。今回はそれらの心理と特徴についてご紹介いたしました。

  • 責任を取りたくない
  • 仕事量が多い
  • 仕事が面白くない
  • 自信がない
  • 向上心がない

指示待ち人間に見られるこのような心理・特徴を踏まえて指導をすれば、指示待ち人間もある程度改善することが出来るでしょう。