ブレる人の意味は?柔軟さとの違いについて徹底解説

ブレるとはどういうことか?

言っていることがコロコロ変わり、やっていることもチグハグで回りを振り回してばかり…周りにそんな人がいませんか?

特に、仕事でそういう人と関わらなければならないと、本当にしんどいですよね。

それが自分の上司となった日には、たまったものではありません。

以前は導入を見送ると言っていたシステムを、いつの間にか入れる方向で話を進めてきたり、事業目的が社会貢献だったはずなのに、いつの間にか利益追求が目的になっていたり…

経営相談なんかをやっていると、そんな経営者をよく見かけることがあります。その人の下で働かなければならない従業員の方々のことを思うと、大変だろうなと思います。

ブレているととらえられると、人がついてこなくなる可能性が高くなります。自分がどこに向かっているかもわからないと、ムダに振り回されて、体力や精神力を浪費しかねませんからね。

ブレる人の特徴として、しっかりとした目標や指針が定まっていないということがいえるでしょう。

明確な目標や行動指針がないために、あっちに行ったりこっちに行ったり。

はっきりと決まっていないということは、行動する本人にとっても、その都度選択を強いられるということになるので、精神的に疲れてしまうということが、多々あります。

しかし、ブレるように見える人でも、仕事においては、きちんと成果を出す人もいます。これは一見ブレているようでも、実は芯の通った考え方や行動原理があるためです。

つまり、はた目にはブレているように見えても、当人にとっては、ブレることなく自分の信念を貫いているという場合もあるのです。

これはブレるというよりも、臨機応変とか柔軟であるという風にとらえることができます。

こういった判断は結果論的に行われやすく、難しいです。

ブレるということと柔軟であるということは、紙一重なのです。

「ブレる」と「柔軟」は紙一重

「ブレる」と「柔軟」の違い

「ブレる」と「柔軟」の違い

では、ブレると柔軟の違いはどこにあるのでしょう?

あれやこれやと試行錯誤することは一見して、ブレているように見えますね?

しかし、ブレているように見えても、きちんと目標を定めて、結果としてうまくいったならば、柔軟に対処できたとみなすこともできます。

でも、これはあくまで第三者の視点に過ぎません。

ここが難しいところですが、たとえ結果としてうまくいかなかったとしても、行動している本人にとって、きちんと目標を定めた上でのことであれば、ブレていることにはならないでしょう。

それは試行錯誤であって、無目的にさまよっているわけではないのですから。

つまり、移り変わる事実がどうであれ、自分にとってはブレていなくても、他人にとってはブレているように映るということがしばしば起こりうるのです。

ここが難しいところなんですね。結局、よく知らない他人は、結果がうまくいったかどうかでしか、その時の行いを評価することはできないのです。

臨機応変に対処することも、試行錯誤することも、目標達成に必要な場合があります。

しかし、それがうまく結果につながらなければ、「ブレている」ととらえられがちです。

「ブレている」と「柔軟」の違いとは、<きちんと設定した目標に向かって行動できているかどうかにある>ということもできますが、その行動をとらえる視点の違いということもできるのです。

自分にとってブレていなくても、他人にとってブレていると思われることもある。

目的の有無と行動の一貫性

ブレているかどうかの判断基準として、「目標がきちんと定められているかどうか」ということが大きく関わっているというお話をしました。

でも、これは目標の有無だけの話ではありません。現在やっていることに対する目標が変わったとしても、ブレていると言えない場合もあります。

例えば、サッカーが上手くなりたくて、練習している少年がいたとします。体力をつけるために、彼は毎日毎日20㎞のランニングを欠かさず行っていました。

当初は<体力向上>を目標として行っていたランニングですが、同じ距離を走るたびに縮まっていくタイムに達成感を覚え、走る喜びを感じるようになりました。

やがては、フルマラソンの世界で活躍できるような選手になりたいと、目標を<陸上競技の長距離選手になること>に変更したとします。

目標を変えたことで、彼はブレていると言えるでしょうか?

この場合、ブレているとは言えません。

確かに、<サッカーをするための体力を向上させる>というものから、<陸上競技の長距離選手になること>に、彼は目標を変更しました。

その結果、当初の<サッカーが上手くなるために体力を向上させる>という目標は達成されなくなります。

しかし、目標を変えた後でも、ある目標を定めてから、それに向かって一貫した努力を続けるということに変わりはありません。

人によっては、「自分の適性や可能性を考えて、柔軟に目標を変えた」と評価されることもあります。

ある目標に向かって努力し続けるという一貫した姿勢をみると、ブレているとは判断されることは考えにくいのです。

【他人の評価】

  変わらぬ目標に向かい、目標を達成できた 変わらぬ目標に向かい、目標を達成できなかった 目標を変えた
一貫した行動を取っている ブレていない ブレていない ブレていない(柔軟)
あれこれやってみる ブレていない(柔軟)
ブレている(※)
ブレている

(※ 自分では試行錯誤してやっているつもりでも、人にはそれが伝わりにくいことが多い。)

ブレないために

ブレないために必要なのは、自分がどういった目標を設定して、それに向かっているかということをしっかりと自覚することです。

結果を気にする必要はありません。

もともと、結果に対する不安というものは完全に払しょくできるものではありません。

結果を気にするあまり、やっていることに自信が持てなくなって、一貫性がもてなくなってしまうこともあります。

そうなると、試行錯誤というよりも、単に迷走してしまうということになり、ブレてしまいますからね。

どういうやり方が良いのかを探りながら、あれこれ試行錯誤してみるということは、とても大切なことです。

しかし、無目的にあれこれやってみても、あまり意味はありません

ただやみくもにやってみても、遠回りするだけで、場合によっては達成できる目標も達成できなくなることもあります。

最も望ましいのは、一貫したやり方で、目標に向けて最短距離を突っ切ることです。

ただ、自分ではブレているつもりはないけど、他人からブレているとみられることも、時によっては、大きなマイナスとなることがあります。

特に、チームで仕事をする場合がそうですね。自分がリーダーの立場にあるなら、他の人にブレていると思われてはいけません。

なぜなら、ブレている人に付いていこうなんて人はいませんからね。ついてくる人が、あるいは気持ちがなければ、チームはチームとして成り立たなくなります。

チームプレーができない以上、チームでの目標達成は難しくなるというわけです。

では、他の人にブレているとみられないようにするにはどうすればいいでしょう。これは、ブレないためにすることと同じです。

どういった目標を設定して、それに向かっているかということを、各人がしっかりと認識することです。つまり、情報の共有化です。

何のために、どういう方法でそれを達成しようとしているのか。

そのために、各人がどのような役割を担っているのか。今、どの段階にあるのか。

こういったことを共通認識としてもっていれば、チームとしてもブレることはなくなるでしょう。

やはり、そのためにも報連相(報告・連絡・相談)は重要なんですね。

ブレないために必要なこと=目標設定をしっかりとして、どのように取り組んでいるのかを認識すること。