「ケチ」と「堅実な倹約家」の本質的な違いは目的と手段の逆転にあり

「ケチな人」と「倹約家の人」はお金を節約する点で共通しています。しかし、「ケチな人」は周囲から嫌われ、「倹約家の人」は周囲から尊敬されたり、信頼されたりします。

なぜ、そのようなことが起こってしまうのでしょうか?

というわけで、今回は「ケチ」と「堅実な倹約家」の本質的な違いについて説明したいと思います。

ケチな人がお金を節約する理由

ケチな人がお金を大切にするのは、お金を節約すること自体が目的になっているからです。そのため、ケチな人は全ての出費を抑えようとします。つまり、お金を使うことは悪と考えているわけです。

そうすると、両親への親孝行や恋人へプレゼントを贈ったりや友人や後輩へご飯をおごったりなどが出来なくなります。つまり、人付き合いが悪くなるわけです。そのため、ケチな人は周囲の人に嫌われやすい傾向にあります。

以上のことから、ケチな人はお金を使わないために、お金を節約していると言えます。

堅実な倹約家がお金を節約する理由

倹約家がお金を大切にするのは、欲しい商品・サービスを購入するためです。お金を節約するのは欲しいものを買うための手段でしかありません。つまり、倹約家はお金を大切にしながらも、お金は使うためのものという意識があるわけです。

そのため、倹約家の人は無駄金を使いませんが、必要なお金は躊躇なく使います。お金の使い方にメリハリがあるわけです。そのため、効率的にお金を使うことができ、周囲から信頼・尊敬されます。

以上のことから、倹約家の人はお金を使うために、お金を節約していると言えます。

ケチと倹約家の本質的な違い

ケチと倹約家の本質的な違いは、「節約することを目的とするか、手段とするか」です。ケチな人はお金を節約すること自体が目的になっています。しかし、倹約家はお金を節約することは手段であり、目的は効率的にお金を使うことです。

つまり、ケチな人は手段が目的化しているわけです。この手段の目的化は、仕事・プライベート関われずよく見られる現象で、Wikipediaでは次のように定義されています。

ある目的のためにたてた「目標(値)、達成のための手段、あるいは具体的な行動など」が、いつの間にか「目的」にすり代わり(そして概ね、本来の目的は忘れられ)あるいは逆効果の、目的に反する事態に陥ること。

引用:「自己目的化」2018年6月23日 (土) 18:28 UTCの版「Wikipedia」

ここで分かりやすいように、例を一つ挙げたいと思います。

車を買うという目的のために生活費を削る手段を取りました。しかし、生活費を削っている内に貯金額が増えていくのが楽しくなり、車を買うこと自体が無駄と考えるようになりました。そして、車を買うことを辞めてしまいました。しかし、生活費の削減は継続しました。

見事に手段が目的化していますよね?もともと車を買うことが目的だったのに、いつの間にか節約すること(手段)が目的になってしまっていますからね。

まとめ

初めは目的を持って節約をするものの、いつの間にか目的を忘れてしまうことが良くあります。そうすると、節約すること自体が目的となり、ケチな人間になってしまいます。そして、ケチになると人との出会いが減り、チャンスを逃してしまいます。

そのため、目的は何か?ということを常に意識して行動することが極めて重要です。

まとめに移ります。

  • ケチな人がお金を節約する理由は?
    ケチな人はお金を使わないために、節約しています。
  • 倹約家の人がお金を節約する理由は?
    倹約家の人はお金を使うために、節約しています。
  • ケチと倹約家の違いは?
    節約を目的とするか?手段とするか?」の違いです。倹約家の人は節約を手段として見ています。一方で、ケチな人は節約自体が目的になっています。つまり、手段が目的化しているわけですね。