好かれる体質―犬や鳥などに好かれるポイントを整理して考えてみた結果

なぜか、いろんなものに好かれる。「いろんなもの」と表現したのは、人間でないものも含めて、と言うか、人間でないものによく好かれるから。ただ、「好かれる」と表現するのは、やや語弊があるかもしれない。正確には、「寄ってこられる」である。まあ、好意のないものには寄ってこないだろうという安直な考えから、「好かれる」と表現したまでだ。だから、とりあえずは「好かれる」という表記のまま話を進めていきたい。

どうしてこんな話をし始めたのかと言うと、ちょっとした悩みだから。正直、寄ってこられてもどう接して良いかわからない。対応に困る。だから、もし良い考えがある方はアドバイスしていただけると助かります。

(万が一、好かれる人になりたいと思われる方がおられるのであれば、参考にして下さい。何かヒントになるかもしれません)

 


好かれるもの

犬に好かれる。何でか知らんけど。大体、寄ってくる。んで、こっち見上げてくる。物欲しそうな顔で。つぶらな瞳で。舌出して。息弾ませながら。

こないだも知り合いが、「新しく2匹目の犬飼ったんだ~」とか言いながら、連れてきた。初代も連れて。ほいで、出会った瞬間、ボクんとこにダッシュしてきた。2匹同時に。んで、前脚でボクの足にしがみついてくる。「わかった!わーったから落ち着け!」って言いながら、足から引き離す始末。

 

へっへっへっ

 

声なき声をたてるわけ。いや、へっへっへっ言われれても…あげる餌もないし。どうすればいいの?

頻繁に会うわけでもないし、可愛がったりしてるわけでもない。てか、2匹目のキミ初対面だよね?一体、何を求めてるの?って犬語が喋れたら訊きたい。

納得できないのが、ボクの言うこと聞き過ぎるんです。その子たち。飼い主の言う事、ろくに聞かないくせに。そりゃ、しつけ頼まれるよね。

 

「全然言うこと聞かんのよー。お座りもできんくらい」

 

なんておっしゃるから、試しに言ってみた。

 

「座れ」

 

いとも簡単に座った。

 

「何でよー!」

 

なんておっしゃられても、知らんがな…

 

「お座りー!」

 

へっへっへっ

 

飼い主さんが言うと、走り回ってた。犬の考えることはわからん…

 

文鳥

義姉が文鳥を飼っている。2匹。白と黒。ベージュと桜色。カゴから出して、遊ばせる時がある。ま、大体来るよねー。初対面の時から。扉開けた瞬間から。飛び出して来るよねー。十日ヱビスの福男かってぇくらい勢い良く、飛び出して来るよねー。

んで、頭と肩にとまる。つついてくるよねー。頭と肩と耳と腕と。これでもかってくらい、つついてくるよねー。

 

「イテテテテ」

 

ってなっても、つついてくるよねー。んで、腕、肩、頭動き回ってます。

 

「すごーい!結構、人見知りするのにー!」

 

だってさ。見知って欲しい。そっとしておいて欲しい。一人ぼっちでクリスマス過ごす人を気遣うように。年賀状が誰からも来なかった人を気遣うように。バレンタインに一つもチョコを貰えなかった男の子を気遣うように。そっとしておいて欲しい。

しばらくすると。おとなしくなった。ほしたら、

 

「ああー!」

 

だって。どした?

 

「寝てる!」

 

手鏡見せられた。寝てる…頭の上で。ぷくーって体膨らませながら(桜色ベージュが)。しっかり目を閉じてる。乙女座の黄金聖闘士ばりに目を閉じてる。寝ないで欲しい。人の頭の上で寝ないで欲しい。ボクの髪の毛、鳥の巣みたいにモッサリしてないから。動けないから。

そんな出会いだった。んで、去年、2度目の邂逅。

紫式部が「紫だちたる雲の細くたなびきたる~」なんて歌い出したくなるような、東雲の空が白みだした頃、顔に(正確には唇に)違和感。うっすら目を開けると、鼻先をかすめる鳥の尾羽。文鳥が顔にとまってた(桜色ベージュの方)。顔にとまられたのなんて初めて。鳥は鳥でも焼き鳥の部位以外が唇に触れたの初めて。その脚、どけていただいてよろしいですか?間違っても便はしないでね?

てか、嫌な予感して動けないんだけど、アナタの相方どこ行った?上腕二頭筋に感じる違和感。ああ、ボクの布団の中ね。よく入れたね~。ああ、肩と掛け布団の隙間から入ったのね。んじゃ、自分の寝床に戻ろっか?ここ、ボクだけの寝床だから。

甥っ子が隣の部屋で放ったみたい。んで一直線にボクんとこに。よく来たね~。数々の障害物があったでしょうに。もう少しお日様が登ってから出直して来よっか?てか一昨日おいで。

なんてことが。文鳥の考えることはよくわからん。3度目の邂逅はどうなることやら。

 

溽暑の真っ只中、岩にしみ入ることのない蝉の声が田園風景にこだましておりました。そこで、爽やかな文学青年が駅へと歩いております。

tama「え?爽やかな?アウトレ○ジ的なの間違いじゃないですか(´◉◞౪◟◉三◉◞౪◟◉`)」

すると、何やら腹部に衝撃が。なんじゃらほい?よく見てみると、一匹の蝉がブローチのようにしっかりとしがみついている。たまたまメッシュ記事の服を着ていたボク青年のおへその左あたりにしがみついている。

いやぁ~、ここキミの来るところじゃないんだな。ボ、ボクは木じゃないんだな。オニギリおいしいんだな。なんて、何かの大将みたいに蝉に言ってると、少し羽を膨らませたような仕草(に見えた)。

 

 

え?嘘ん?ヽ(ヽ゜ロ゜)

 

いや

 

いや

 

いや

 

 

みーんみんみんみんみんみー

 

 

間近で蝉の声聞いたことあります?相当うるさいです。そりゃね、あんなに全力で昼夜問わず大声で鳴いてたら2週間で寿命尽きますよ。もうちょい音量と力の配分考えよっか。

な~んてことがあったわけですが、それが約10年前のお話。そして、その2年後の夏、またその青年が駅までの道を、どこでもドアは本当にどこでも行けるのか、なんてことを考えながら、歩いてたわけです。すると、大胸筋右部にまあまあの衝撃が。若かりし頃、自転車こいでると、たまにカナブン的なものが額を貫こうとドスコーイと来たあの感覚に似てる。大胸筋右部を見ると、何か見たことあるような方がしっかとボク文学青年の服を掴んで離さない。

あれ?あなたこないだお会いしましたよね?つい2年ほど前。寿命2週間じゃなかったんですか?あぁ、よく見ると体色が昔お会いしたときとは異なっておられますね?それに前より耳に近づいておられるようで…何?よく声を聞かせたかったから?いやいや、まだそれほど耳も遠くありませんので、ささやく程度のお声で十分でございますよ。え?やっぱり?全力で歌いたい?まあ、そうおっしゃらずに。ジャイアンでもあるまいし。ここは一つ穏便にいきましょうや。何?だめ?やっぱり?こりゃ開き直るしかないね。仕方ないなぁ、これっきりですよ?

それでは歌っていただきましょう!2番、(恐らく)アブラゼミさんで、「夏真っ盛り」!

 

 

ジウィ~…

 

 

こんなことってあります?止まってるならまだしも、歩いてる最中に、蝉にとまられるなんて。しかも、2回も。てか、ミンミンゼミとアブラゼミて生息域違ってんじゃなかったっけ?確かに、住んでる地域、郊外ですけど。いや、そんなこたこの際どーでもいーや。ボク木じゃないんでね。勝手にとまらないでくれる?

指で摘まんで引き離そうとすんだけど、全脚使って、必死にしがみついてくんの。無理すると、脚全部取れそうだったんで、やめときました。全力で鳴き散らかす蝉をミニスピーカーみたく服にくっつけて歩きましたよ。その内、勝手に離れてくれるだろって思いながら。

2匹とも、駅の手前で離れてってくれましたけど、その間10分足らず。もう間近で聞きたくないです。耳をつんざくとは、正にあのこと。それ以来、近づく黒い影は全て撃ち落とす勢いで、手で払いのけることにしてます。だから、夏にボクが歩いてても、近づかないで下さい。

 

その他諸々

他にも色んなモンに寄ってこられた。夜道を歩いてると、道をタヌキに塞がれて。警戒心強いて聞いてたのに、ふてぶてしくこっち見て動かないの。近づいても、逃げる気配なし。ケガしてる感じでもないのに。仕方ないので、またいで通りましたよ。人間近づいて来てんだから、逃げなさいよ。

イタチなんてのもありましたね。ガーデンダイニング謳ってる店で、独りでまったりティータイム楽しんでると、気付かぬ内に、足元にイタチ。外が雨降ってたんで雨宿りに来たのかな?ボクの足元で雨宿り?最初、ビックリしましたね。普通、イタチて人間にあまり姿見せませんよね?ふと、足元見ると、茶色っぽい毛皮の固まりがあるんだから。ん?てなって、凝視してると、向こうも見られてることに気付いたみたいで。ボクを見上げた。イタチと目が合っちゃった。いや、構わんのだけど…キミ店に入って来て大丈夫?

まあ、大丈夫でないわけで。お店のお姉さんに見つかって軽い悲鳴があがり、見る間にイタチとお姉さんの追っかけっこ。トムとジェリーばりにドタバタしてた。これがホントのイタチごっこ?店には点々と、小動物の足跡が残されてて。何だか漫画みたい。イタチって、もっと悪人顔してんのかなって思ってたら、意外と可愛い顔してた。

後はカラス。道端でケガ(?)してて飛べないカラスがいた。真っ黒な姿して、こっち見てくるわけ。都市部では公害的な扱い受けてて、あんまりよろしくないんだけど、小学生だったボクにそんな分別があるわけでもなく、居たたまれない気持ちになって、手に持ってたお菓子か何かをあげたの。そしたら、翌朝、玄関の扉に何か当たる音がするわけ。

 

カンカンカンカンカンカン

 

来客にしてはおかしい。インターホンもあったし。親に見てこいと言われて、玄関の扉を開けると

 

カァー

 

…カラスがくちばしで扉ノックしてた。キツツキみたいにガスガスつついてた。新しく鍵穴でも開けようってーの?もうお菓子ないよ?そしたら、一鳴き二鳴きして、飛び去ってった。頭?だらけ。

そんな爽やかな朝が3日ほど続いた。その後は田舎に帰省してたから、何日ほどつつき続けてたのかは知らない。でも、2週間ほどで家に戻ってくると、もうつつかれなくなっていた。

奈良で鹿に閉じ込められたこともある。奈良公園には小さな東屋がある。そして、鹿もいる。ボクが東屋の角の腰掛けに座ってまったりとしてた時、角の生えた大きな鹿が東屋に入ってきた。それ自体は珍しいことじゃないんだけど、すぐに立ち去るだろうと高をくくっていたボクの方に進路を取り、徐に近づいて来た。もののけ姫に出てきそうな、長老みたいな鹿だった。なかなかの迫力だ。

互いの間合いに入ったことを確認したのか、長老は突然、面舵いっぱーい。そのまま進路変更して、立ち去るのかと思いきや、まさかの停車、もとい停鹿。そして、そのまま駐鹿(座り込む)。切片がプラスで傾きが1に近い一次関数のグラフのように、ボクを東屋に閉じ込めた。

横を向きながら、視線をこちらに向けるという草食動物にしかできない能力で、長老がボクをねめつける。一向に動く気配がない。一緒に来てた友人は爆笑してた。5分以上笑い続け、疲れた彼はボクを見捨ててどこかに行ってしまった。

閉じ込められたボクは、まさか長老を倒すこともできず(草食動物とはいえ、野生動物をなめてはいけません)、当然、またいで通れるほどの大きさでもなく、閉じ込められ続けた。時間にして凡そ、48分もの間(時計で計ってた)、長老とボクのお見合いは続いた。

鹿煎餅を持ってたわけでもなく、何かを食べてたわけでもない。にもかかわらず、長老は50cmほどの近距離で、ボクに何かを訴えかけるかのような視線を送り続けた。やがて、立ち去るわけだが、長老が何を思っていたのかは知る由はない。

 


好かれる理由を調べてみた

犬に好かれる理由

犬に好かれる理由を調べてみた。ついでに、各項目に自分が該当するかどうかも考えてみた。

 

①堂々としていて穏やかあるいは大らかである。

―堂々としているかどうかは知らないが、落ち着いているとはよく言われる。きっと、マイペースな性格だから。

 

②犬が嫌がることはしない。

―別に犬に限った話ではない。

 

③性格があっさりしている。

―そら知らん。まあでもあまり物事に執着しないようにはしている。

 

④すぐに近付いて頭から触らない。

―得体の知れぬものに、すぐに近づいて触れるほど、自信家ではない。

 

⑤目を直視し続けない。

―これは当てはまらない。寧ろ、危害を及ぼされるかどうか、対象からは目を離さないようにはしている。

 

⑥犬を取り巻く人の中で、ボスである。

―そんなことはない。ちなみに、犬を連れてきた知り合いは、仕事上、上司にあたる。周りの人間もほとんどがボクより年上。

 

⑦犬中心で行動することなく、マイペースでいる。

―当然だ。逆に、なぜ犬を中心に行動しなければならない?譬え、徳川綱吉の命令とて、ボクはボク中心で行動する。

 

⑧犬が苦手なファッションを避け、しっかりと顔を見せる。

―ここでいう苦手なファッションとはマスクやサングラスなどのこと。花粉症の時期や、日差しの眩しい時を除いては、顔は常に見せている。

 

⑨待つことができる(犬は待つことができる人が好きらしい)。

―待つことは苦にならない。待ち時間に他のことができるから。本を読む。音楽を聴く。記事を書く。考え事をする。何かを観察する。待つと言うよりは、その時間に他の何かをすることができるだけとも言える。

 

大体、こんな感じ。9つの項目の内、7つは当てはまるだろう。これなら、確かに、犬には好かれるかもしれない。

 

文鳥に好かれる理由

こちらの理由は、どうやら、犬のものほどメジャーではないらしい。「好かれる方法」とされるものが出てくるだけだった。

換羽までの時期が大事だの、掃除や餌やりなどの世話をすることが大事だの、対等に接する態度が大事だの…方法は色々とあるらしい。でも、それはすべてボクには関係のないこと。なぜなら、飼い主ではないからだ。

調べてもわからないので、自分で理由を考えてみた。

カラスの時もそうだったが、鳥が寄ってくるのだから、鳥が寄ってくるものを考えよう。鳥がよくとまっているもの。電線や木だ。それらは動かない。だから、とまりやすい。とまりやすいから、寄ってくるのだ。

確かにボクはあまり動かない。運動自体は好きだが、考え事をしていたり、まったりしている時には、ほとんど動かない。なるほど、だからボクにはとまりやすいのだ。だからボクは落ち着いていると言われやすいのだ。きっと、落ち着いているから、鳥が寄ってくるのだ。

何だかわかってきたぞ。

 

蝉に好かれる理由

蝉に好かれる理由を調べてみた。うすうすは気づいていたけど、「蝉に好かれる」なんて、そんなピンポイントの理由はなかった。だから、広く、「虫」としよう。

虫に好かれる理由はあるらしい。フェロモンだの甘い匂いだのに、惹かれるのだそうな。なるほど、確かに、ボクは甘いものが大好きだ。暇さえあれば、甘いものを食べている。そんなボクだから、体から甘い匂いがしていても不思議ではない。だから、虫に好かれると言うことはできるかもしれない。

だが、蝉ならどうだ?蝉が寄ってくるもの…そうだ!木だ!蝉は基本的には木にとまって鳴いている。1~2週間しかないと言われる儚い人生(蝉生?)の大半、木に抱きついて過ごしている。

 

そうか、わかったぞ!

 

ボクは「僕」ではなく、「木(ぼく)」だったんだ!

 

好かれるためには

謎はすべて解けた!

(じっちゃんの名にかけなくても)

ボクが木だったから、犬も文鳥も蝉も寄ってきたんだ!木だったら、タヌキも避ける必要がない。カラスも鳥であることからは避けられない。イタチも雨宿りするだろうし、鹿も傍らで腰を落ち着けるに違いない。

まあ虫に好かれるってどーなのよ?ってところはある。でも、仕方ない。だって、木だもの。それに、〈虫が好かない〉よりかはマシじゃない?

でも、わからないことがある。実は、ボク、お年寄りと子供にも好かれるんです(悲しいことに、中間の年齢層にはあまり好かれない)。お年寄りと子供って、木に寄ってくるっけ?

まあでも、きっと、好きだよね!だって、木だもの。木が嫌いな人とか見たことないし。落ち着けるもんね!木だもの。

色んなモンに好かれる体質。それは、木である、ってことだ。だから、何かに好かれたいって人、木になろう!木になると、色んなモンが寄ってくるから!木になると、賑やかな人生をエンジョイできるよ!

まあでも、ボクは別に好かれなくても、それほどきにはならない、けどね。

by    tetsu