仕事・プライベート関係なく、人は人と関わることなく生きていくことはできません。人同士が協力し合って初めて生きていくことが出来ます。今の社会の仕組みを考えれば、そのことはよくわかると思います。
そこで、大切になるのが「相手目線に立つこと」です。相手の立場になって考えることが出来ると、何をしたら相手が喜ぶか?悲しむか?怒るか?ということが推測できるようになります。
その能力をさらに高めていけば、自分の行動・態度・発言によって、相手がどのような行動をとるのか?ということを推測できるようにもなります。そうすると、ある程度人を自分の想い通りに動かすこともできます。言い換えれば、「人心掌握術」とも言うことが出来ます。
相手目線に立つことが難しい理由
バックグラウンドが違う
人は一人一人異なるバックグラウンドを持っています。バックグラウンドが変わると、考え方も異なります。
例えば、住んでいる地域が変わるだけでも生活習慣は大きく変化します。日本では、土足で家に入ることは基本的にありませんが、欧米では家の中でも土足が一般的です。このように、生育環境が大きく異なると相手目線に立つことが難しくなります。
他にも、宗教観や国家観による違いが相手目線に立つうえで困難をもたらすことがあります。多様性のある社会には沢山のメリットがありますが、その一方で、相手目線に立つことが難しく対立を招きやすいことも頭の中に入れておくと良いでしょう。
立場が違う
立場が変われば、取る行動も変わります。
例えば、上司と部下・売り手と買い手・プライベートとビジネスなど立場や関係性によって、考え方や行動が変化します。
例えば、上司の場合は部署全体の進捗管理が業務です。一方で、部下の場合は自分に割り当てられた仕事をすることが業務です。すると、両者の間で目線に違いが生まれます。
上司から見れば、あるテーマは自身の評価指標の一部でしかありませんが、部下から見ればそのテーマが全てですからね。
また、重視する評価指標も異なります。部下の方は、いろいろ工夫をして業務に取り組んでいるため、プロセスを重視します。一方で、上司の方は経営層に報告するために、プロセスより結果を重視します。このような差が相手目線に立つ際に、障害となることがあります。
実際のことを考えても、上司と仲の良い人より同僚と仲の良い人の方が多いのではないでしょうか?
要は立場が近ければ近いほど、相手目線に立つことが容易になり、立場が遠ければ遠いほど相手目線に立つことは難しくなります。
性格が違う
当然のことですが、性格が異なればとる行動も変わります。
例えば、行動派と熟考派の人では物事の進め方が全く異なります。行動派の人なら、計画は粗めに立てて行動しながら軌道修正する傾向にありますが、熟考派の人なら、計画をしっかりと立ててその計画に沿って行動をとります。
このように、同じ目標や課題があっても、性格によってアプローチ方法が異なるのです。逆に言うと、相手の性格を理解していれば相手の目線に立ったり、相手の行動を予測することが簡単になります。
相手目線に立つためのコツ
孫氏の兵法には、「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」という言葉があります。この言葉は、相手と自分自身のことを知っていれば、負けない戦いができるという意味です。その一環としても「相手目線に立つこと」は大きな意味を持ちます。
というわけで、ここからは相手目線に立つコツについて考えたいと思います。
相手の立場を想像する
売り手と買い手、上司と部下など相反する立場にいる場合は、相手の立ち場を想像することが大切です。
もし、自分が客ならどうしてほしいか?自分が上司ならどのような情報を報連相してほしいか?など相手の立場に立って考えると自然に相手目線の考えが身に付きます。
ただし、経験として相手の立場になったことがなければ、想像することが困難になります。例えば、部下を持ったことのない人間が上司の立場を考えるのにも限界がありますよね?
このように、相手の立場を想像することは時として難しいものですが、相手目線に立つためには大切なことなので、常に意識しておくと良いでしょう。
相手の性格や考え方を自分と比較する
相手の性格や考え方を分析するために、自分のそれらと比較することも良い方法です。同時に自己分析もできますしね。
例を挙げると、「自分は慎重派だから低リスクのAという選択肢を取るけど、彼は行動派でリスクを許容するタイプだからリターンの大きいBという選択肢を取るだろう。」と言った具合でしょうか?
結局、世の中で一番理解できている人間って自分自身ですから、自分の性格や考え方を基準として相手の行動や考え方を予測するのは非常に合理的な方法と言えます。
まとめ
相手の目線に立つことが難しい主な理由は、「バックグラウンド・立場・性格」の違いです。これらの項目が相手と異なれば異なるほど相手目線に立つことは困難になります。
確かに、外国の王族として生まれ、次期国王の席が約束されている人の立場に立って考えるよりも、同じ会社で働く同僚の目線で物事を考える方が圧倒的に簡単です。
それでも工夫をすれば、普段よりは相手目線に立つことが出来ます。その方法としては相手の立場・地位を想像することや自分自身の性格や考え方と比較することなどが挙げられます。相手目線に立つことが難しいと感じている人は、これらのコツを意識して実践してみると良いでしょう。
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