大企業メーカーに就職することのメリットとデメリットを実体験をもとに解説するよ

日本の製造業が世界に与える影響力は一時期と比較して低下しましたが、その存在感は今でも健在です。

例としては、トヨタ・ホンダなどの車メーカー、村田製作所・東京エレクトロンなどの半導体関連メーカー、クボタ・ヤンマーなどの農機メーカー、ソニーやパナソニックなどの電機メーカーなどが挙げられます。どの会社に決算を見ても分かるように、近年は好調な業績を上げています。

今回は、そんな大企業メーカーが働くことのメリットとデメリットについて実体験・友人へのインタビューを基に解説したいと思います。

大企業メーカーに勤めるメリット

福利厚生が充実している

大企業の福利厚生は半端ではありません。その中でも、住宅手当はすさまじく家賃の8割を補助してくれる会社もあります。それ以外にも、家族手当や通勤手当や資格報奨金や会員制福利厚生サービスなどあらゆる非金銭報酬を貰うこともできます。

大雑把に計算すると、非金銭的報酬を含めた実質の給与額は+10万程度と考えることができます。

ハラスメントが少ない

ハラスメントの絶対量が少ないのも特徴のメリットの一つです。大企業が不祥事を起こすと、それだけで一大ニュースになりますからね。だから、大企業は管理職へのコンプライアンス教育を徹底しています。そのため、パワハラ上司の絶対数も少なく、仮にいたとしても組織化された労働組合が被害者を守ってくれますしね。

サービス残業がほとんどない

僕が把握する限り、サービス残業はほとんどありません。サービス残業の形跡があれば叱られますからね。しかし、サービス残業をしている人も若干名見受けられます。この原因は、現場での作業量が減らないのに、政府の残業規制が厳しくなりというギャップによるものだと考えられます。まぁ、サービス残業はどこの会社にも多かれ少なかれあるものですからね。

その絶対量の少ない大企業は相対的に恵まれていると言えるのではないでしょうか?

ボーナスを沢山貰える

大企業は若手の内から沢山のボーナスを貰うことができます。2019年度の大手企業の冬の平均ボーナス額は96万(2~3ヵ月)と言われていますからね。この数字は民間平均の2.5倍にも上ります。ですので、大企業であれば新卒であっても冬のボーナスは40万~60万程度貰えるわけですね。

ただし、夏のボーナスはどこの会社も寸志程度(~10万ぐらい)しかもらえません。まぁ、貰えるだけでも相当ありがたいことなんですけどね。

変な人が少ない

社会人になると関わる人間の数が一気に増え、世の中には本当に色々な人がいるということを実感します。実際その通りで世の中には、自分の身を危険に晒してでも他人を救おうとする善人から平気で人を騙すことのできる悪人までいろんな種類の人間がいます。

もちろん、大企業にも一部ありえないぐらい傲慢で性格の悪い人間は確実にいます。しかし、それはほんのごく少数で、世の中に対する性悪な人の割合よりは確実に少ないでしょう。逆に、性格の良い善良な人が大半を占めます。

つまり、大企業の職場は平均的に見て人間関係に悩まされる可能性が低いと言えます。もちろん、これらはあくまでも傾向の話です。公的機関・中小企業でも働きやすい職場は沢山ありますし、逆に大企業であっても人間関係に悩まされる職場は確実に存在します。

大企業メーカーに勤めるデメリット

会社の歯車になる

大企業で働くということは、会社という巨大な生命体の一細胞になることです。

ここでは、細胞の種類に例えて考えてみたいと思います。

例えば、個人事業主は基本的に一人または少人数で様々な種類の仕事をこなさなければなりません。例えるなら、単細胞生物です。単細胞生物は一つの物事に特化はしていませんが、万遍なく全ての仕事をこなすことができ、たった一人でも生きていくことができます。一言で言うと、全てをこなせるジェネラリストなわけです。

一方で、大企業は分業化が進んだ超多細胞生物です。例えば植物の場合、光と水分からデンプンを作り出すための葉の細胞、その葉を支え水分と栄養分のやり取りを行う茎の細胞・地面から水を吸い上げる根の細胞などがありますね。これらの細胞はそれぞれの仕事に特化することによって、全体として最適化されているわけです。しかし、これらの細胞は一人では生きていけません。一言で言うと、スペシャリスト(優秀な歯車)なわけですね。

とはいえ、一生歯車でいられる保証はありません。時には、全体最適のためのリストラ(細胞に例えるならアポトーシス)される可能性も考えておかなければなりません。

部署によって環境が全く異なる

世の中は企業単位でブラック企業かホワイト企業かを判断しがちです。しかし、実際はそうではありません。どの会社だって白と黒が入り混じったシマウマ企業です。世の中はそれを俯瞰的に見て、白と黒の割合によってブラック企業がホワイト企業かの判断をしているわけですね。

しかし、私たちは大企業のある特定の部署に籍を置いて働くわけです。ですから、運悪くブラック部署に配属される可能性もあるわけです。このように、ホワイト企業に就職したからってホワイトな部署に入れるとは限らないわけです。もちろん、確率的にはホワイト部署に就職できる可能性が高いですけどね。

勤務地が全国にある

大企業は国内に多くの拠点を有しています。それは、勤務地が全国にあることを意味します。そのため、遠方地への異動の可能性についても視野に入れておかなければなりません。もし、遠方への異動が嫌な場合は、会社の拠点の分布についてあらかじめ調べておくと良いでしょう。また、企業の採用スタッフは田舎の拠点の存在を隠す傾向にあるので、注意してくださいね。

まとめ

ここまでに示したように、大企業メーカーで働くことにはデメリットもありますが、それを上回る数多くのメリットがあります。ですので、メーカーに就職したいという方はまず大企業への就職を目指すと良いと思います。

確かに、大企業メーカーに就職することは多少難易度が高いかもしれませんが、学生の間にそれ相応の準備をしていれば、全く問題ありません。ですので、今学生の方はそこそこに遊びつつも、自分自身の能力開発に全力を挙げましょう。そうすれば、多少の学歴差なんて簡単にひっくり返すことができますよ!