京都にある圓光寺の感想・アクセス・周辺施設を紹介

圓光寺

圓光寺の正面

結論から言いますが、

最高でした。

両手と両足を使っても余裕で足りないくらい寺院に行ってきましたが、圓光寺が文句なし一番です。というわけで、素晴らしいスポット別に紹介していきます。

参道

両脇が苔の絨毯となっている参道をプラプラと歩いていると茸とヒガンバナがありました。緑・赤・白の色彩の調和が素晴らしかったです。後日、白いヒガンバナって本当にあるのかなと調べたところ、正式名称はシロバナマンジュシャゲというんだそうで、ショウキラン(黄色)とヒガンバナ(赤色)の雑種らしいです。

奔龍庭

見たことない枯山水だなぁというのが第一印象。この枯山水の異質さが気になってしまい、公式サイトを調べてみると平成の枯山水とありました。たまにはこういう創作的な枯山水があっても良いんじゃないかな?伝統を追い求めてを正確に再現するのも良いですが、このような伝統に囚われない作品に挑戦することも良いと個人的には思います。枯山水だって当時からすれば、相当革新的だっただろうし。なんせ、水もなければ緑もないんですからね。その当時には枯山水を庭園として認めるかどうかの論争があったかもしれませんし。

奔龍庭

逆からの景色はこんな感じでした。

十牛之庭

牛を追う牧童の様子が描かれた「十牛図」を題材にして近世初期(1615年以降?)に造られた池泉回遊式庭園(園内を回遊して鑑賞する庭園)です。個人的には圓光寺の中でもここが一番良かったなぁ。何時間でも居られるぐらい居心地の良い空間でしたね。本堂では気持ちよさそうに寝転がっている人もちらほらいました。

何とかこの美しさを言葉にして伝えたいけどできません…(๑¯ω¯๑)

百聞は一見に如かず

実際に行ってみることをおすすめします。きっと後悔しないと思います。

庭園の中から

まずは庭園内をぷらぷら散策~。如何ですか?綺麗な景色でしょ?この庭園の緑の多彩さには驚きました。かなり大ざっぱに見れば、下の写真はぜーんぶ緑色だね!ってなことになりますが、しっかりと見ていくと様々な種類の緑色を見つけられます。「緑が綺麗」という言葉はこのような風景を表現するためにあったのか!と思わされました(๑¯ω¯๑)

この時ふと思い出したのが、人間の目の感度についての話でした。一般的な人間の目では可視光(紫~赤)までを知覚することができます。実はそれぞれの色によって、人間の目の感度は変わります。その感度のピークが555 nmの波長の光、つまり、緑色なのです。

数十万年の間人類が多くの植物(緑)に囲まれて生活してきたことを考えれば、必然的なことと言えるでしょう。私たちが「緑が綺麗」と感じられることは、私たちの祖先が植物(緑)と共に生きてきた証なのかもしれませんね(๑¯ω¯๑)

本堂から

不思議なもので、見る対象との距離によって美しさの感じ方が異なります。そのもっともな例として東京タワーからの景色が挙げられるでしょう。近くで見れば、お世辞にも綺麗とは言えない市街地の街並みも東京タワーから見下ろせば、ある程度の美しさを感じることができます。

十牛之庭にも同様のことが言えます。もちろん、十牛之庭の場合は両方とも綺麗ですけどね(๑¯ω¯๑)でも、美しさの感じ方は違います。庭の中から見ると自分が溶け込んでいる、つまり、自身と庭が同じ世界にいると感じます。そのため、緑(植物)の美しさをダイレクトに味わうことができます。一方で、本堂から見るとまるで庭の景色が別の世界のように感じられます。本堂の廊下や畳を額縁、庭の景色を風景画に見立てると、洗練された美術品のようにも見えます。

座禅堂

残念ながら中には入れませんでしたが、外から中を覗くことはできました。座禅のための建物ということで、厳かな雰囲気が漂っていましたね。一度はこういうところに行って座禅を組んでみたいなと思いました。圓光寺では、日曜早朝座禅会を行っているそうなので、興味ある方は一度いってみても良いかもしれないですね。

煩悩にまみれた方は一度は行ってみてはいかがでしょうか?

応挙竹林

十牛之庭を通り過ぎると竹林があります。竹林は竹林(嵐山とか…)庭園は庭園(銀閣寺とか…)というイメージがあったので、竹林と庭園が共存していることに驚きました。竹と竹の間から差し込む陽光が生むコントラストが素晴らしかったですね。地面にはいくつか竹を切り倒した跡(切り株的な?)があったので、ちょうど良い光の具合にするために竹林の密集度を調整しているのかもしれないなぁ。十牛之庭もそうでしたが、細かいところまでしっかりと手入れが行き届いているように感じました。いろんな寺院を巡っていると散らかっている庭も意外にあるんですよ。まぁ、どことは言いませんが…

水琴窟

水琴窟とは、水滴が水面に落ちた時のかすかな音を聞く装置です。音が反響するように装置が作られていて、琴のような非常に澄んだ音が聞こえます。雑音が入りまくりですが、せっかく録音したのであげておきます。気になる方は聞いてみてくださいね。

かるーく水琴窟の歴史を調べたところ、そのルーツは未だ不明だそうです。一応、江戸時代が発祥だとは言われています。そもそも、水琴窟は明治から昭和初期にかけてその存在を完全に忘れ去られていたらしい。

たまたま、東京農業大学の平山教授が庭園の水鉢を調査中にその存在を発見したとのこと。発見できた水琴窟も全国で二カ所のみで、堆積した泥のせいで水琴窟の音を聞くことはできなかったそうで…その後、各方面の協力によって水琴窟の復元が行われました。というように、水琴窟は江戸時代から脈々と受け継がれてきたものではなく、一度その命脈が断たれていました。

現代の技術を駆使しても鎌倉時代の日本刀の美しさを再現できないと言われていますが、それと同様に水琴窟もロストテクノロジーといってもいいかもしれません。一応再現はされていますが、江戸時代の物と完全に同一とは言えませんしね。そう考えると、伝統文化を守ることって想像以上に難しいものかもしれないですね。

水琴窟の詳細が気になる方はこちらの論文をご覧ください。

瑞雲閣(展示物が見られる)

展示物は2種類ありました。

圓光寺の庭のミニチュア

奔龍庭のミニチュア

十牛之庭から見た本堂?

参道かな?

このような如何にも現代的なもの(インスタ映えしそうな感じのもの)を寺院に置くことには賛否両論あるかと思います。個人的にはモノが良ければ、全然構わないと思ってるけどね。

このミニチュアを見て面白いと思ったのは、縮尺のレベルがモノによって異なる点です。ジオラマはすべてのもの(道路も家も人など)を同じ縮尺で縮小することが多いですよね。リアル感を求めているのだから当たり前のことだけど…

一方で、このミニチュアはそれぞれのもので縮尺が異なっています。例えば、住居は何十分の1になっています。木はもみじの葉で代用されており、幹の太さは住居と同等の縮尺のように見えるけど、葉の大きさは等倍になっています。もちろん、苔の大きさも等倍になっています。

そういう不自然さが新鮮で面白いと感じました。

重要文化財

重要文化財はいくつかありました。その中で面白いと思ったのは日本最古の木活字かなぁ。日本最古のものがこの寺院にあるとは思いもしませんでした。この木活字によって、多くの書物が印刷されたのでしょう。歴史上の偉人もこの木活字によって印刷された本を読んで学んでいたのかも!

印刷物(書物)は今日の学校を見ても分かるように学びに重要な役割を果たしてきました。教科書も参考書も辞書もみんな印刷物ですもんね。そんな印刷物の原点である活版印刷は人類の歴史上でも大きな意味を持ちます。効率的に経験や知識を多くの人に伝達出来るからね。世界三大発明の一つに数えられるくらいだし。

そんな活版印刷を行う上で重要な活字版の一種の木活字(しかも、日本最古)がこのようなところにあるとはなかなか驚きでした。

圓光寺の拝観情報

拝観時間

午前9時~午後5時(定休日なし)

拝観料

大人:500円 高・中:400円 小:300円

住所

〒606-8147 京都市左京区一乗寺小谷町十三番地

駐車場

あり(30台)

アクセス

【車の場合】
圓光寺の目の前に駐車場があります。ただし、圓光寺まで道が非常に狭いので、ご注意くださいね。

【電車の場合】
叡山電鉄・一乗寺駅から徒歩15分となっています。

周辺施設(寺社仏閣)

修学院離宮

17世紀中ごろに造営された離宮で、桂離宮・仙洞御所と同じ宮内庁管轄の施設です。当時の美意識が味わえる希少な場所ですので、一度は訪れたい場所ですね。

オンライン予約が可能。定員に達していなければ、当日予約です。宮内庁は伝統を重んじるイメージがあったので、オンライン予約があると知った時は結構驚きました。ちなみに、料金は無料です。敷地面積が非常に広いので、健脚なうちに行っておきたいですね。

拝観時間

【参観開始時間】午前9時,10時, 11時 午後1時30分, 3時 (計5回) 

【定員】各回50名 

【参観所要時間】 約80分

オンライン予約または当日予約が必要

定休日

月曜日(祝日の場合は翌日),年末年始(12月28日から1月4日)

拝観料

無料

住所

〒602-8611 京都市上京区京都御苑3番 

駐車場

なし

アクセス

【車の場合】
駐車場がありませんので、近隣のパーキングに駐車ください。近くには、りっきゅうさんパーキングがございます。

【電車の場合】
叡山電鉄・修学院駅から徒歩15分

曼殊院門跡・曼殊院天満宮

曼殊院門跡の中は有料で、曼殊院天満宮は無料になっています。

曼殊院門跡・曼殊院天満宮付近は緑いっぱいで良い雰囲気なので、曼殊院門跡に入場しなくても十分に楽しめますよ。もちろん、入場したほうが楽しめますけどね。京都中心部から30分移動すれば、こんなに自然に囲まれた場所に行けるってスゴイことだと思います。

曼殊院門跡の詳しい情報に関しては曼殊院門跡の公式サイトをご覧ください。

曼殊院に繋がる木のトンネル

曼殊院天満宮その1

曼殊院天満宮その2

曼殊院の周囲

拝観時間

9:00~17:00

定休日

情報なし

拝観料

大人600円 高校500円 小中学生 400円

住所

京都市左京区一乗寺竹ノ内町42

駐車場

無料(50台)

アクセス

【車の場合】
駐車場があります。アクセス路に一部狭い箇所がありますので、ご注意ください。

【電車の場合】
叡山電鉄・修学院駅より徒歩20分

詩仙堂

参道は竹と木に囲まれていて非常に風情があります。美しい庭園を眺めながら、詩仙の間や書院など畳敷きの空間でゆったりと時間を過ごすことも出来ます。

実際の写真などをご確認になりたい方は詩仙堂のホームページをご覧ください。

拝観時間

9:00~17:00

定休日

5月23日

拝観料

大人500円 高校生400円 小中学生200円 

住所

京都府京都市左京区一乗寺門口町27

駐車場

情報なし

アクセス

【車の場合】
駐車場がないので、近隣のパーキングに駐車ください。近隣には一乗寺釈迦堂パーキング、一乗寺駐車場がございます。

【電車の場合】
叡山電鉄・一乗寺駅から徒歩10分

周辺施設(ラーメン)

一乗寺駅付近はラーメン激戦区です。「極鶏」、「高安」、「ラーメン荘 夢を語れ」、「夕日のキラメキ」などの有名店が軒を連ねています。ラーメンがお好きな方は帰り際に寄ってみてはどうでしょうか?

ちなみに、tama的おすすめは「夕日のキラメキ」です。