中身のないES(エントリーシート)とは?その特徴と改善法

最近、中身のないESが見る機会が多かったので、本記事を書くことにしました。以前の記事でも紹介したように、ESは重要な役割を果たします。

就活におけるESの重要性を面接で果たす役割から考えてみた

そのESの内容が薄ければ、書類選考に通りづらくなるのも当然のことです。そもそも、中身のないESを書く人が中身のある話をできるとは思えませんし…というわけで、今回は中身のないESの特徴と改善法についてお話していきます。とその前に、中身のないESの定義とは一体なんでしょうか?考えてみましょう。

中身のないESとは?

質の悪いESを見たときによく出るのが「このESには中身がない」という言葉です。しかし、中身がないといわれてもどうしたらよいのか分かりませんよね?ではどういう意味なのでしょうか。一般的には以下の意味合いが含まれています。

具体的でない

自分自身がどういう風に考え、行動したのかということを具体的に書かなければ、現実味がなくなります。すると、フワフワとした印象を与えることになり、中身がないと判断されてしまいます。
悪い例.レギュラーの座を手にするために、一日中練習しました。
良い例.レギュラーの座を手にするために、合同練習の後、3時間の自主練習をして基礎体力の向上を図りました。

論理的でない

文章が論理的でなければ、話に説得力が感じられなくなります。説得力がなければ、どれだけ長所をアピールしても信用されません。
悪い例.試合に勝てなかった原因は「根性」と考えました。根性を鍛えるために裸足でのランニングメニュー追加しました。
良い例.試合に勝てなかった原因は「体格さ」と考えました。そのため、練習メニューに筋トレを追加しました。

話自体がしょぼい

ESのネタ自体がしょぼい場合、当然ESの内容もダメになります。
悪い例.私は成績を向上させるため、毎日大学の講義に出席しました。講義時には、スマホを触らないように電源をオフにしました。また、講義に毎回出席できるように、早寝早起きと毎日の手洗いうがいを日課としました。その結果、GPAを1.5から2.0に向上させることが出来ました。

中身のないESの特徴

ESの寄せ集め

就活会議やワンキャリアなどの就活サイトから簡単に過去のESを手に入れられるようになりました。そういったツールを活用して、いくつかのESの内容をドッキングする人がよくいます。しかし、そういった安直な行動は一瞬で見抜かれます。文章をつぎはぎしている部分に無理が生じますからね。ひどい場合には、「ですます調」と「だである調」が何度も入れ替わるケースもあります。私なら人生を左右するであろう就活において、他人のESの文章を剽窃する時点で採用するに値しない人物だと考えます。

受験企業サイトの受け売り

もちろん、ESを書く際に受験企業サイトを確認するのは非常に重要なことです。だからといって、その会社の企業理念をそのまま書いたらよいというわけではありません。例えば、「世界中の人々の幸福に貢献するという貴社の企業理念に惹かれました。」とアピールしても、薄っぺらいなと思われるのが関の山です。もちろん、海外ボランティアなど実際に行動した方なら感心されるでしょう。しかし、世の中にいる大抵の大学生はそんなことを考えたことがないと思います。ただただ、「企業がそう言っているからそう書いてみた。」というのが正直なところではないでしょうか?そのような、行動を伴わない言葉で書いたESにはだれも関心を寄せてくれません。

主張がたくさんある

一設問当たり文字数は大体200~400字くらいです。自分の考えをそれだけの文字数で表現するのは非常に難しいです。それにも関わらず、複数の主張を入れるESをよく見かけます。この程度の文字数の場合、主張は一つに絞らないと深堀りできません。といってもわかりづらいと思うので一例を挙げましょう。以下の例は完全なフィクションです。

設問:学生生活を通して、あなたが得たものはなんですか?

私はサークル活動を通して「コミュニケーション能力」と「企画能力」を身に着けました。本サークルは年々人数が減少しており、一昨年には過去最低のメンバー数になりました。サークル消滅の危機感から、サークルメンバーの増加を目指しました。まずは、サークル新入生に対してヒアリングをしましたが、うまくいきませんでした。そこで、新入生と信頼関係を築き、本音を聞きました。それにより、サークルの問題が分かりました。その問題を解決するための企画をサークルの幹事グループで考え、その企画を実行しました。その結果、サークル部員の人数は劇的に改善しました。この経験を通して、私は「コミュニケーション能力」と「企画能力」を身に着けることができました。(311文字)

私はサークル活動を通して「コミュニケーション能力」を身に着けました。本サークルは年々人数が減少しており、一昨年には過去最低のメンバー数になりました。サークル消滅の危機感から、メンバーの増加を目指しました。まず、新入生の気持ちを聴くことで問題を洗い出そうと考えました。しかし、新入生から本音をうまく引き出すことができませんでした。私はその背景に遠慮と緊張があると考え、新入生と会話する機会を増やしました。その結果、新入生に本音を話してもらえる関係性を築くことができ、「上下の繋がりが弱い」という問題を発見しました。その改善に努めた結果、部員数は増加に転じました。この経験で自身の「コミュニケーション能力」を大きく成長させることが出来ました。(319文字)

いかかでしょうか。後者の文章のほうが説得力があると思いませんか?その理由は深堀りです。前者は2つの主張をしようとしているため、1つの主張あたりに割くことのできる文章量が限られています。そのため、問題に対する具体的な考えや行動がほとんど書かれていません。それが結果として、中身のない文章になっています。一方で、後者の文章では「その背景に遠慮と緊張があると考える」、「会話する機会を増やす」、「上下関係の繋がりが弱いという問題を発見する」など、問題に対する具体的な考えや行動が示されています。このように書くと、中身のある文章になります。

中身のないESの改善法

中身のあるESを書くために、以下のようなことを意識しましょう。

  • 主張は一つに絞る

    ESは自己アピールの書類です。できるだけたくさん自分の長所を伝えたい気持ちは分かります。しかし、ESには文字数制限があります。そのため、すべての長所をアピールすることは不可能です。なので、選りすぐった一つの長所を徹底的にアピールしてください。そうすれば、十分に深堀りすることができますよ。

  • 話の本筋は具体的に書く

    文字数の制限の中でできるだけ具体的に書きましょう。ただし、具体的に書くのは話の本筋のみで大丈夫です。枝葉末節まで具体的に書き出すと文字数がいくらあっても足りませんからね。大抵、話の本筋になるものは、問題に対する行動や考えの部分ですので、そのあたりを具体的に書いていきましょう。

  • 論理的に文章を書く

    ある程度論理的に文章が書かないと、相手に理解してもらうことはできません。そもそも、ESは自分アピールの書類ですからね。相手が理解できない文章を書いた時点でアウトです。論理的にわかりやすく文章を書く方法に関してはこの記事を参考にしてみてください。文章の量は多いですが、とても参考になりますよ。個人的には、是非とも読んでもらいたい記事です。

    わかりやすい文章の書き方、身につけ方―作文、小論文、レポート、ブログ…すべてに通じる!

  • 文章を多めに書いてから削る

    この方法には即効性があります。とりあえず、600文字程度の自己PRやガクチカを書いてみましょう。そこから、基準の文字数になるまでひたすら文章を削りに削ります。すると、余分な文章が削られ、冗長な文章が簡潔になって、質の高い文になります。少ない文字数から膨らまそうすると前述のことと真逆のことが起きるので、注意しましょうね。

まとめ

先ほど紹介した記事にも書いている通り、ESはただの足切りではなく、面接の難易度すら変えてしまいます。ですので、中身のない状態のままESを企業に提出することはお勧めできません。自分のESに自信のない人は大学のキャリア支援センターや大学の先輩などに相談したり、査読を依頼したりしましょう。

就活におけるESの重要性を面接で果たす役割から考えてみた

実際に内定を得た自己PR及びガクチカの詳しい解説を見たい方は参考にしてみてください。

通過率100%の自己PRを具体例としてESの書き方を徹底解説

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