発想力が試される?解法が面白い論理パズル問題集

論理パズルって良いですよね?面白いし、頭の体操になるし、暇つぶしになるし、どこでもできますし。個人的には、中学・高校教育の時に、授業として扱ってもいいんじゃない?って考えています。頭を使うことの面白さを体感することもできますしね。そういった論理パズルの中でも一番面白いのが発想力を試される問題です。というわけで今回は、複雑そうに見える問題が視点を変えるだけでシンプルな問題に変化する論理パズルをご紹介したいと思います。

白玉と黒玉最後に残るのはどっち?

問題文

袋の中に白玉が32個、黒玉が17個入っています。この袋の中から同時に2つの玉取り出します。取り出した2つの玉が同じ色ならば、白の玉を1つ袋の中に入れます。2つの玉が異なる色ならば、黒の玉を1つ袋の中に入れます。この作業を玉の数が1つになるまで繰り返します。さて、最後に残る玉は何色でしょうか?

※タイトルにもあるように、発想力が求められる問題ですので、確率の知識は必要ありません。数学が苦手な方でもトライしてみましょう。

思考のポイント

数字の簡略化

一度簡単な数字に置き換えましょう。これは、あらゆる論理パズルにおいて有効な手段です。白玉2個、黒玉1個のケースを考えるみたいにね!そうすると、問題の本質を捉えやすくなりますよ。このケースの場合だと、白玉を同時に2つ取る場合(1)白玉と黒玉を1つずつ取る場合(2)に分けることができますね。(1)の場合は白玉が投入されることになります。すると、袋の中には白玉と黒玉だけになります。つまり、最後に残るのは黒玉となるわけです。(2)の場合は、黒玉が投入されることになります。すると、袋の中には白玉と黒玉だけになります。つまり、最後に残るのは黒玉となります。これらのことから、白玉2個、黒玉1個のケースでは最後に黒玉が残ることが分かりました。

このような作業を繰り返せば、証明はできなくても「白玉が偶数かつ黒玉が偶数」と「白玉が奇数かつ黒玉が偶数」の時は白玉が残り、「白玉が偶数かつ黒玉が奇数」、「白玉が奇数かつ黒玉が奇数」の時は黒玉が残ることが類推できます。ここからは、それに似た法則を考えてみるだけです。

本質を見極める

白玉と黒玉の数自体について考えるのではなく、作業の前後で白玉・黒玉の総数がどのように変化するのかについて考えてみましょう。もはや、答えを言っている同然なのでこれ以上の記述は控えます。

面白い解法

白玉を偶数、黒玉を奇数として捉えて、偶数+偶数=偶数、奇数+奇数=偶数、奇数+偶数=奇数というだれもが知る数学的法則に当てはめて考えてみると、次のようになります。

白玉(偶数)+白玉(偶数)=白玉(偶数)

黒玉(奇数)+黒玉(奇数)=白玉(偶数)

白玉(偶数)+黒玉(奇数)=黒玉(奇数)

見事に一致していますね!では、先ほどの問題に戻って考えてみましょう。袋の中には白玉は32個、黒玉は17個入っていましたね。つまり、偶数が32個、奇数が17個入っていたわけです。すべてを足し合わせれば奇数になります。それゆえに、残った玉は黒玉と言えるわけです。ちなみに、加法の交換法則が成り立つので、どのような計算順序でも(=白玉と黒玉の組み合わせがどんなものであれ)同じ結果になります。

シンプルな解法

黒玉の個数の推移について考えます。例えば、白玉と黒玉を選んだ場合、袋の中にある黒玉の総数は変化しません。次に、黒玉二つを選んだ場合、黒玉の総数は-2となります。もちろん、白玉を選んだ時の黒玉の総数は変化しません。

つまり、初めの黒玉の個数が奇数ならば、常に袋中の黒玉の総数は奇数であり続けるわけです。それゆえに、黒玉が17個であれば、袋中の黒玉の総数は常に奇数になるはずなので、最後の一つは必ず黒玉になるわけです。

999人の子供たち

問題文

東西に続く1000mの一本道の上に999人の子供たちがいます。こども達はどちらかの方向に毎秒1mずつ移動します。道が狭くてすれ違えないため、出会うと反対方向に踵を返します。子ども達の初期位置は次のようになっています。子どもが東端もしくは西端にたどり着くとゴールになります。最短で全員がゴールする場合は何秒かかるでしょうか?また、最長で全員がゴールする場合は何秒かかるでしょうか?

1人目の子供:東端から1m
2人目の子供:東端から2m
3人目の子供:東端から3m

998人目の子供:東端から998m
999人目の子供:東端から999m

思考のポイント

数字の簡略化

先ほども出ました「数字の簡略化」です。999人は多すぎですよね?というわけで3人程度から考えてみましょうか?4人の時なら、最短の場合は2秒、最長の場合は3秒になります。次に4人の時なら、最短の場合は2秒、最長の場合は4秒となります。次に5人の時なら、最短の場合は3秒、最長の場合は5秒となります。このことから、最短時間の答えは、偶数なら人数/2、奇数なら(人数+1)/2と一般化できそうです。次に、最長時間の答えは、人数と一般化できそうです。このことから、999人の時は、最短が500秒、最長が999秒と類推することが出来ます。

本質を見極める

この問題の題意をよく考えてみましょう。この問題は全員がゴールする時間を聞いています。そのため、東から1番目こどもが最後にゴールしようが、東から999番目こどもが最後にゴールしようが関係ないわけです。つまり、子供を区別する必要はないわけです。

シンプルな解法

最短時間に関してはゴールから最も離れた子供(東からも西からも500mの位置)が最短で到着する時間を考えれば問題ありません。つまり、500秒になります。

次に、最長時間に関しては一つの考え方を導入すると簡単に解けるようになります。それは、子供同士を区別しないという考え方です。そうすると、子供たちが素通りすると考えても問題ないわけです。子供が入れ替わっただけで、そこに子供がいることに変わりはないからね。つまり、最長時間は999秒となります。東端(西端)から1mにいる子供が入れ替わり立ち替わりして、西端(東端)にゴールするという場合が考えられますからね。

本物の金貨を一発で見極めろ

問題文

金貨のぎっしり詰まった袋が10個ありました。それらの中で本物の金貨が詰まった袋は1個だけしかありません。目の前には秤があり、一度だけ使用することが許されています。情報としては、偽物の金貨は一枚100gで、本物の金貨は99gということのみ分かっています。

思考のポイント

本質を見極める

本文中にあるように、秤は一度しか使用することができません。もちろん、れぞれの袋にある金貨の重さをはからないと本物の金貨を見分けることができません。つまり、同時に複数の袋の金貨を計測する必要があるわけです。

しかし、工夫をしなければそれぞれの袋にある金貨の重さを計測しても、どれが本物の金貨が入っている袋か?ということを特定することはできません。

以上のことから、「複数の袋の金貨を載せた秤の重量」から「本物の金貨が入っている袋を特定する」方法を考えることがこの問題の本質だとわかります。

数字を簡略化

前の問題と同様に、数字を簡略化するとわかりやすくなります。

例えば、本物の金貨を100gではなく10g、偽物の金貨を99gではなく9gと考えるとシンプルになりますよね?また、偽物の金貨が入った袋が2個、本物の金貨が入った袋が1個と考えても良いかもしれません。

このような作業をすることにより、先ほど示した問題の本質に辿り着きやすくなります。

シンプルな解法

まずは、袋に左上から順番に1,2,3…と番号を振ります。そして、その番号の数だけ秤に金貨を載せます。そうすると、1番の袋が1枚、2番の袋が2枚…10番の袋が10枚となります。

この条件で重さを計ると、本物の金貨が入った袋を特定することができます。

まず、仮にすべての金貨が偽物だったらと仮定しましょう。そうすると、99×55(=1+2+…+10)=5445gとなります。

ここで、もし1番の袋に入っている金貨が本物ならば、重さは+1gの5446gになるはずです。もし2番の袋に入っている金貨が本物ならば、重さは+2gの5447gになるはずです。もし3番の袋に入っている金貨が本物ならば…と考えれば…

あとはもう分かりますよね?

この問題の優れている点は、問題は一見難しそうなのに回答が極めてシンプルなところですね。そういう意味では論理パズルのお手本と言えるかもしれません。

最後に…

いかがでしたか?複雑そうに見える問題をシンプルに捉えることの面白さを実感できましたでしょうか?また、面白い問題があれば、随時追加いたしますので、楽しみにしていてくださいね!