目次
はじめに…
スノーボードをそれなりにやっていると、身に着けている小物で初心者か否かが判別できるようになります。その方法は簡単で皮膚をどれくらい露出しているかで判別ができます。初心者の方は顔面を基本的に覆いません。一方で、中・上級者になると、顔面はゴーグル・ヘルメットorニット帽・目だし帽で完全に覆われていることが多いです。やっぱり、直接冷たい風に当てないことは鉄則ですからね。
ゴーグルの役割
ゴーグルは本当に大事です。その主な2つの理由について解説していきます。
雪目の防止
1つ目の理由は「雪目」の防止です。冬は紫外線が弱まるから大丈夫と考える人も多いですが、スキー場は別です。いかに紫外線の反射率をまとめます。以下の表を見てわかるように新雪の紫外線反射率はヤバイです。そんなの晴れの日だけでしょ?って言う方もいるかもしれませんが、くもりの日でも快晴の日の60%程度の紫外線が地表に届きます。つまり、雪面から紫外線反射を考慮すれば、快晴の日以上に紫外線を受けることになります。そのため、どんな状況においても、ゴーグルを着用するべきです。もちろん、目の周りの日焼け防止にもなりますしね。
物質 | 反射率 |
新雪 | 80% |
砂浜 | 10~25% |
アスファルト | 10% |
水面 | 10~20% |
引用:「紫外線環境保健マニュアル2015」(環境省)
目の保護
ゴーグルが目を保護してくれます。まず、転倒時には転倒した先にある雪や障害物(枝や小石など)から目を保護してくれます。雪って軟らかいものというイメージがありますが、それは場合によります。一旦溶けて再凍結すれば、雪はかなり固くなります。ゴーグルもなしにそれらに当たると考えると怖くありませんか?フカフカの新雪だとしても油断してはいけません。コースわきには雪に埋もれた枝が多くあります。もしも、そういう場所でこけてしまったら大変なことになりますよね?だから、目の保護のためにゴーグルをつけましょう。
また、高速滑走時には風よけにもなります。私はコンタクトユーザーですが、ゴーグルをせずに高速で滑るとコンタクトが外れそうになります。実際、一度外れたことがありますしね。そのような意味においてもゴーグルは重要と言えます。
余談ですが、コンタクトユーザーは絶対に眼鏡を持っていきましょう!もちろん、ゲレンデに持ち込む必要はありませんが、コンタクトが外れた場合の保険として車内またはロッカーの中に入れておきましょう。
ゴーグルが曇る…
初心者の方は、ゴーグルを途中で外しがちです。その理由は、とてもシンプル。
曇るからです。
初心者のゴーグルが曇るワケ
では、なぜ初心者の方のゴーグルは曇りやすいのか?それには、3つの理由があります。
1つ目は転倒するからです。転倒時にゴーグル内に雪が侵入し、それが体温により溶けて蒸発します。そして、冷やされたレンズに当たり水蒸気が凝結することにより曇ります。
2つ目は安いゴーグルを使用しているからです。安物のゴーグルはシングルレンズであることが多いです。シングルレンズの場合、外気と内気(ゴーグルと目の間の空気)が直接触れ合うことになります。その結果、身体から出た水蒸気を多く含む内気が外気によって冷やされたレンズ面に触れることにより、水蒸気が凝結し曇ります。
ダブルレンズの場合は、外気と中気(レンズの間にある空気)と内気ができます。そのため、シングルレンズよりは多少曇りづらくなります。それでも曇るときは曇りますけどね。
3つ目がゴーグル外してる時の場所です。初心者の方は首からゴーグルを掛けてる場合が多いのですが、これをやってしまうと体から発生する水蒸気のせいですぐにレンズが曇ってしまいます。まだましなのは、サングラスのように頭の上に掛けることですが、ニット帽被っていない場合だと同じくらい曇ります…ニット帽をかぶっていれば、多少ましにはなります。ちなみに、ヘルメットなら全く曇りません。
曇りの防止法
ゴーグルの曇りを防止する方法は2つあります。
1つ目は曇り止めを使うことです。500円程度で買えるので、ゴーグルが曇って仕方ないと言う方は是非買ってみてください。曇り止めは、スプレータイプの方が良いと思います。そちらの方が均一に塗れますからね。上手く塗れないと視界がゆがむことがあるので、丁寧に塗ってくださいね。
2つ目はつばを使うことです。あたりまえのことですが、私用のモノ以外にこの方法を使ってはいけませんよ。つばを塗ることは曇り止めと同じ役割をします。ただし、唾液の主成分が水分であることから、ある程度時間が経過すると蒸発してしまいレンズに汚れが付着します。ですので、あくまでも緊急用ということであまり多用しないことをおススメします。
曇ったらどうする?
曇ったら基本的には、乾かすか、拭くかの二択です。まずは、乾かす方法から説明します。
乾かす
少しだけ曇った程度なら、その場でぶんぶんゴーグルを振り回しましょう。もちろん、雪が降っていないことが前提です。ゴーグルに付いた水滴が外気に触れることで蒸発します。ただし、この方法が有効なのはスキー場の空気が湿っていないときのみです。スキー場の空気が飽和水蒸気量に達していたら、まったく意味がなくなります。それを簡単に判断する方法は霧(ガス)です。霧(ガス)が出ていたら、基本的に湿度が100%となるので、いくらゴーグルを振り回しても乾きません。
拭く
完全に曇ってしまったら、拭きましょう。その時に、水滴が残ってしまうと視界がゆがんで滑りにくくなります。ですので、眼鏡拭きのような吸水性の高い素材を濡れないところ(ウェアの内側)にしまっておきましょう。そうすれば、きれいに曇りをふき取れるので、安心して滑ることができますよ。
ゴーグルが雪でびしょびしょになった時は、諦めてレストハウスに行きましょう。レストハウスにある紙ナプキンを濡れているスポンジ部にあてがえば効率よく水分が吸収され、曇りづらくなりますよ。
まとめ
- ゴーグルの役割は「雪目の防止」と「目の保護」です。
- 初心者の方のゴーグルが曇りやすい理由は以下の三つです。
・転倒によるゴーグルへの雪の侵入
・安いゴーグル(シングルレンズ)
・ゴーグルの掛ける位置の間違い(首元はNG) - 曇りの防止法
・曇り止めをつける(おすすめ)
・つばをつける(緊急用) - 曇った時の対処法
・ゴーグルを振り回して曇りを取る
・眼鏡拭きのような吸水性のあるものでゴーグルを拭く
・ひどいときには、レストハウスの紙ナプキンでスポンジ部の水分を取り除く
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