最近、「配属ガチャ」という言葉を耳にするようになりました。
それに対して、会社側が一生懸命に考えた人事を「ガチャ」呼ばわりするとは何事だ!とお怒りの方も多く、ニュースに取り上げられると大体炎上します。
それでも、私は配属ガチャという言葉が甘えではなく、的を得た意見と考えます。
その理由は、配属という環境が人の成長・キャリアに与える影響が大きいからです。
目次
「配属ガチャ」が正しい理由
人の成長速度は、その人の能力と置かれた環境によって変化します。環境が良ければ、それだけ成長も期待できるというわけです。
「配属ガチャ」とは、その環境を第三者によって決定されるイベントなのです。その判断基準も曖昧で本人のためと口では言いつつも、メインは会社の事情によって決まります。
逆に、自分を重要視して考えられるのは自分自身ですし、人生の責任を背負えるのも自分だけです。会社はあなたの人生を100%保証するような優しい組織ではありません。
ですから、自分の責任の下に転職(=配属ガチャを回しなおす)のも一つの手と言えるわけです。
環境が人を変えるから
一般に、親が貧しい子供は、テストの平均点が平均より低いことが知られています。
また、子どもが取り違えられた事例でも、裕福な家庭で育った子供(本来は貧しい家庭に生まれるはずだった子供)は一部上場企業に就職し、逆のこどもは中卒となり、自力で学費を稼ぎ、定時制高校を卒業して、トラックドライバーしているそうです。
※参考記事1:https://toyokeizai.net/articles/-/179582
※参考記事2:https://gendai.media/articles/-/37752?page=1
このように、環境は人の能力に影響を与えます。また、もっと大きなスケールで考えてみるのも良いです。
例えば、発展途上国は教育水準が低いため、高レベルな人材を生み出すことに苦労しています。国・人種にかからわず、人間の能力が変わらないという当然の前提に立てば、途上国と先進国を分ける壁は環境にあると考えても良いはずです。
これらの事例からも、分かるように人の能力開発は環境に大きく左右されるのです。
当然、新卒社員も一緒です。これから社会人として成長することを考えた時に環境は重要です。教育上手な上司・先輩がいれば、それだけで成長します。元々デキる人は半端なく伸びますし、デキない人でもそれなりに成長できます。
逆に、業務過多気味の部署で新人を頭数としてしか考えない場合、上司・先輩の能力が低い場合などは他部署の同期と比較しても不利な環境になり、成長しづらくなります。
デキる人では、環境に恵まれた場合と比べたら伸びませんし、デキない人に至っては新人レベルから変化しない場合もあります。
出世ガチャもあるから
もっと直接的な記事もあり、「出世の9割は運だ」という識者もいます。今風に言えば、「出世はガチャ」によって決まるわけです。この記事のように、「出世=運」であると捉えるなら、「配属=ガチャ」と捉えることの何がいけないのでしょうか?
以上のことから、若者が配属をガチャというのは正当な主張のように思えます。
参考記事3:https://toyokeizai.net/articles/-/20053?page=2
与えられた環境で頑張るよりも自分から恵まれた環境を選ぶ方が戦略として合理的です。幸せなことに今の社会は人手不足で、転職市場が活発です。
テレビ・ネットのニュースでは、一般論を重視し、個別論を無視する傾向があります。「最近の若者は…」という文脈が多いものもそういった傾向を示すものです。
重要なのは、「自分の責任の下に選択すること」・「選択肢を正解にする努力をすること」です。
最近では、転職支援・退職代行サービスなどもありますので、上手く活用すると良いでしょう。
ガチャに外れたらどうする?
地方の会社・子会社は、本社からの目がいきわたらず、ガバナンスが甘いです。パワハラ・セクハラなどをする問題社員の割合も多く、若手社員の離職率が高いです。
実際、私の同期も地方配属・子会社出向の社員のみが離職している状態です。
常に若手が離職している状態なので、人材不足が慢性化しており、一度配属されると外に出られません。実際、10年間同じ部署で働き続けている人もざらにいるといった状態です。
極端な話、毎年一人の若手人材をいけにえに捧げている異常な状態です。これは、一企業だけの問題ではなく、友人からもよく聞く話なので、日本企業全体の問題だと捉えています。
ですから、僻地に配属された上で、上の先輩たちが一度も外に出ることなく詰まっている場合は、異動の可能性がほぼないと読めるので、その仕事が嫌であれば、転職活動を進めるべきです。
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