瓶のふたが開かなくて困ることって時々ありますよね?
私も先日タケノコが入った瓶を開けられなくて苦労しました。なんとか、物理の力を使って開けることができましたが…
というわけで、今回は瓶のふたが開かない原因とその対処方法について中学物理を用いてメカニズムの観点から解説していきたいと思います。
メカニズムを知っているのと知らないのとでは、応用力に大きな差がつくので、頑張って理解してみてくださいね。
目次
瓶の中の圧力が低い
原因
熱いものを冷まさずにふたを閉めた時によく起こります。これは、ボイルシャルルの法則を用いることによって簡単に説明できます。
ボイルシャルルの法則とは、圧力(P)×体積(V)÷絶対温度(T)=一定となる法則のことです。
この法則を使って熱いものを冷まさずにふたを閉めた時のことを考えると次のようになります。そうすると、フタに対して押し付ける力が働いてしまい、フタが開きづらくなります。
対策
同じ体積のもとでの温度低下により、瓶内の圧力が低下して、瓶外の圧力>瓶内の圧力となり、押し付け力が発生したわけですから、逆のことをすれば簡単に瓶を開けることが出来ます。
つまり、瓶内を温めてやれば良いというわけです。そうすれば、温度上昇により、瓶内部の圧力も上昇し、押し付け力がなくなりますから、簡単に瓶を開栓することが出来ます。
再利用しない場合なら、アイスピックなどで蓋に穴をあけるのも良いでしょう。そうすれば、フタの内部と外部の圧力が等しくなって押し付け力が無くなります。
滑って力が伝わらない
原因
ふたを開けるときには二つの力が必要になります。滑らないための力(摩擦力)と蓋を回転させる力(回転力)です。
ここでは、まず蓋を押さえつける力(摩擦力)について解説します。
摩擦力は蓋を押さえつける力(蓋の円周に対して垂直方向の力)×摩擦係数で表されます。
この摩擦力が蓋を回転させる力よりも小さいと蓋が回転する前に手が滑ってしまい、蓋を開けることができなくなります。
弱く蓋を握ってたり、蓋に油を塗った状態では、回転させようとするとすべることをイメージすると、わかりやすいと思います。
対策
先程説明した様に、摩擦力=握る力(垂直抗力)×摩擦係数で示されます。
ですから、摩擦力を上げるためには、握る力を強くするか、摩擦係数を上げるという対策が挙げられます。
ですが、握る力(垂直抗力)を高めるのは現実的ではありません。なので、摩擦係数を上げることが重要になります。
その具体的な方法としては、蓋の周りに輪ゴムを巻いたり、ゴム手袋をつけたり、蓋を洗って油分を取り除くなどが挙げられます。これによって、フタと手の摩擦力が大きくなり、簡単には滑らなくなります。
回転力(モーメント)が足りない
原因
しっかり摩擦が効いていて、滑らない状態であっても回転させる力が弱ければ、蓋は開きません。
ペットボトルの蓋を弱い力で回転させようとしても回らないことをイメージすると理解しやすいと思います。要は、純粋な力不足というわけですね。
対策
その回転させる力は力の大きさ×距離(蓋の中心から力を加えている位置までの距離)によって求めることができます。つまり、回転力は力の大きさだけでは決まらないわけです。
ですから、力が一定でも蓋の中心からの距離をとることで、回転力を高めることができます。仮に、フタの中心からの距離を3倍にすると、回転させる力は3倍も大きくなります。
この効果を活用したのが、キャップオープナーと呼ばれる便利グッズです。
これにより、弱い力でも簡単に固い蓋を開くことができます。
ですので、力に自信のない方は常備しておいても良いかもしれません。いつ何時固い蓋に出会うかはわかりませんからね。
フタが接着されている
原因
ハチミツなど内部の液体が乾燥すると、固形化し、蓋と瓶を接着してしまいます。そうすると、蓋を開くために多くの回転力が必要となり、開栓しづらくなります。
このようなことにならないように、瓶のふちは毎回しっかりと拭くようにしましょう。
対策
蓋が中身の液体によって固着した場合は、フタを軽く叩くと良いでしょう。そうすると、フタに振動が伝わり、フタと瓶の接着が解消されるので、フタを簡単に開くことが出来るようになります。
まとめ
ふたが開かない4つの原因とそれぞれの対策について振り返りたいと思います。この4種類の対策を覚えていれば、世の中にある大体のふたは開けることが出来ますよ。
皆さんもぜひ試してみてくださいね。
- 瓶の中の圧力が低い
→容器を温める
→アイスピックなどで穴をあける - 滑って力が伝わらない
→フタに輪ゴムを巻く
→ゴム手袋をつける
→フタの油分を取り除く - 回転力(モーメント)が足りない
→キャップオープナーを活用する - フタが接着されている
→蓋を叩く
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