僕は6年間塾講師として、多くの子供に勉強を教えてきました。時には、大学生に対して勉強を教えることさえありました。そういった経験を通して学んだことは、記憶力の改善には4つの要素があることが分かりました。それは、「興味」・「意味付け」・「入力・出力手段」・「脳の活性化」です。この4つのポイントを同時に抑えれば、圧倒的な速度で暗記をすることが出来るようになります。
これは、僕が中学生の時に無意識的に使用していた方法で、大学生の時に体系化させました。これを長年実践してきた個人の成果としては、社会の公立入試問題を満点で突破したり、センター試験における理社の平均点が8割後半、大学の試験でも暗記系の科目はすべて秀でした。また、指導面においても、暗記系科目の点数向上には大きく貢献しました。元の点数が低すぎたこともありますが、点数が倍増にしたケースも良くありました。30点→80点とかね。もちろん、多くの生徒の高校入試や大学入試へのサポートも行いました。その生徒からすれば、1ランク2ランク上の高校や大学への入学もかなえることもありました。もともと、教えていた塾が進学塾というよりも学習支援塾という感じでしたので、有名大学とまではいきませんでしたが…
というわけで、今回は勉強だけでなく日常生活にも通じる本質的な記憶力の改善・向上方法ついて説明したいとも思います。
目次
興味を持つ
当たり前の話ですが、人間は興味を持っているものや好きなものはよく覚えます。実際、成績の悪い子供でもゲームや漫画のキャラや技名はしっかり覚えていますもんね。一方で、興味にないものや嫌いなものは覚えにくいものです。つまり、初めが肝心なわけです。
「興味を持つ・好きなもの→覚えられる→成績が上がる→さらに興味を持ち、好きになる」という正のループに入るか、「興味を持たない・嫌いなもの→覚えられない→成績が下がる→さらに興味を無くし、嫌いになる」という負のループの入るかの分かれ目ですからね。
つまり、初めに覚える対象に興味を持ち、好きになればよいわけです。そのための教材として最も適しているのが、ゲームや漫画や本など娯楽的な要素の強いものです。ゲームなら「桃太郎電鉄」・「戦国無双」・「信長の野望」など、漫画なら「鋼の錬金術師」・「もやしもん」・「働く細胞」など、本なら、「フェルマーの最終定理」・「宇宙創成」・「暗号解読」(いづれも著者はサイモン・シン)、「空想科学読本」などが挙げられます。
高校生や大学生なら、苦手なものでも自力で興味を持ちにいくことが出来ますが、中学生には少し厳しいかもしれません。そういった場合には、親御さんが勉強につながるようなゲームや漫画を買い与えてもいいかもしれませんね。特に夏休みなどの長期休暇中には効果的かもしれません。
当たり前の話ですが、どんな分野でも一流の人は、その分野に強い興味を持っているものです。そりゃ、一流のプロ野球選手に野球が嫌いな人はいないでしょうし、一流の数学者にも数学が嫌いな人はいないでしょうからね。
情報に意味を見出す
覚えることが得意な人の特徴として、情報に意味を見出す能力が高いことが挙げられます。そもそも、人は意味があるものほど覚えやすいようにできています。円周率や周期表を覚えるにも語呂合わせを使うわけですしね。語呂合わせだって、情報に意味を意味出すことの典型例と言えるでしょう。
例えば、丸暗記とされがちな英単語でも、anti~(反する)、dis~(否定)、re~(再び)などの接頭語や~able(可能・形容詞)、~ful(満ちている・形容詞)、tion(~状態など・名詞)などの接尾語など、一定の法則性が存在します。
化学でも、水素の手は1本、酸素の手は2本、窒素の手は3本、炭素の手は4本、塩素の手は1本と習いましたよね?実はこれも周期表を覚えていれば簡単なんです。
周期表を「左から順に数えた数」と「右から順に数えた数-1」の小さいほうの値が手の本数になります。例えば、この図で考えればリチウムは手が1本、硫黄は手が2本、アルゴンは手が0本となります。もちろん例外もありますが、中学の化学程度なら余裕で対応できます。これは、一応最外殻電子数に関係します。まぁ、これ以上細かい話はしませんが…
このように情報に意味を見出せば、より効率的かつ楽に物事を記憶することが出来ます。
入力・出力手段を増やす
覚えるのが得意な人は、入力手段である聞くことや見ること、出力手段である話すことや書くことをフル活用することによって記憶します。一方で、覚えるのが苦手な人は見るだけ、書くだけといったように一つの手段に絞って記憶しようとします。つまり、情報の入力手段・出力手段を増やすことが記憶力を上げるためには必要というわけです。
そのため、勉強会を開くという手段も有効と言えます。それは、教えあったり問題を出し合ったりすることができるからです。教えるためには、情報を整理しなければなりませんし、話すことや書くことが必要になります。もちろん、教えられる側も聞くこと、見ることも必要になります。つまり、教える側は出力手段を、教えられる側は入力手段を活用することになります。それを交互にやれば、聞くこと、見ること、話すこと、書くことをすべて活用して覚えることができます。その上、勉強会では自分では見つけられない穴を発見することにもつながりますからね。
もちろん一人でも意識をすればできるので、真面目に勉強会ができる人がいない方は一人で勉強してみても良いかもしれません。
歩いて脳を活性化する
また、歩いて覚えるのも良いですね。ドラゴン桜の勉強法にも声を出しながら歩いて覚えるというものがありましたし。僕も何度かしていましたが、とても効率的に覚えることが出来ました。実際、大学のテスト(暗記系)でこの勉強法を試した結果、95点という高得点を収めることができました。(平均点は60点前後)歩くと脳への血流量が増えるそうですから、その辺りも関係しているのかもしれませんね。とにかく実践が簡単なので、疑うよりも前に実践してみてはいかがでしょうか?
まとめ
- 記憶力を上げるためには?
まず、4つのポイントである「興味」、「意味付け」、「入力・出力手段」、「脳の活性化」を意識しましょう。この4つのポイントを意識すれば、効率的に記憶力を上げることができます。 - 興味を持つためには?
初めは、娯楽的な要素の強いものから入っていきましょう。初めは漫画でもゲームでも構いません。興味が出てくれば、学術書でも楽しんで読むことが出来ますよ。 - 意味付けするためには?
情報を単純に覚えるだけでなく、その情報にはどのような役割があるのかについて考えてみましょう。もし、役割を見出せないのなら、語呂合わせに頼りましょう。 - 複数の入力・出力手段を活用するためには?
勉強会が一番です。人に教えることで情報を出力すること(話すこと・書くこと)もできますし、人から教わることで情報を入力すること(聞くこと・見ること)もできますからね。つまり、無意識的に複数の入出力手段が活用できることになります。もちろん、一人でも意識すれば、「話して、書いて、聞いて、見て」覚えることもできますよ。 - 脳を活性化するためには?
歩くことです。歩けば自然の脳が活性化され、記憶力が高まります。疑り深い人も簡単ですので、一度試しにやってみてください。
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