成功を収めている人に共通するものの一つに凡事徹底あります。
ご存知かとは思いますが、凡事徹底の意味は次の通りです。
なんでもないような当たり前のことを徹底的に行うこと
それにも関わらず、人は当たり前のことをするよりも、奇策に走る傾向にあります。
それは、人と違うことをしなければ、追いつけない・追い越せないと考えているからです。
だから、世の中では、○○式メソッドと呼ばれる特殊な手法がもてはやされるのです。
そこで、今回は「凡事徹底の失敗例と成功例」と「イチローの凡事徹底に関する名言」を紹介して、凡事徹底の難しさと重要性について解説いたします。
・凡事徹底の重要性
・凡事徹底するためのコツ
目次
凡事徹底の失敗例
私が中学生の頃の話です。印象的な出来事だったので、今でも鮮明に覚えています。
当時所属していた野球部には同世代で一番速いボールを投げられる投手がいました。そのため、その投手が3年生となる翌年にはかなり強いチームになるのではないかと期待をされていました。
しかし、翌年その投手はレギュラーから外されてしまったのです。もちろん、怪我をしたわけではありません。彼は、奇策に走り、怪しい野球上達塾にのめり込んでしまったのです。
その結果、フォームは崩れてしまい、結局かつての球威を取り戻すことはできませんでした。中学野球は基礎固めの時期なんですから、凡事徹底(投げ込み・ランニング・シャドーピッチング等)で十分なはずなのにね。
精神的な焦りから、王道ではなく邪道に進んでしまう方は、大人でも多くいらっしゃるので、皆様も気を付けるようにしましょう。
今王道とされている方法論は、多くの成功者が切り開いて整備してきた道です。そのため、当然成功確率も高くなります。奇策に走る場合は、そのリスクを把握したうえで選択するようにしましょう。
凡事徹底の成功例
これは、就活で大企業の部長から面接を受けたときの話です。その方は子会社の経営再建を託され、出向しました。打ち解けることが重要だと考え、自ら積極的に挨拶をしたそうです。
しかし、子会社の社員は自分たちを切るために出向してきたと考えていたので、挨拶されても無視を貫いたそうです。あまりよろしいことではありませんが、それが現実というものです。
その方の凄い点は、折れなかったことです。向こうが返事を返してくれなくても、挨拶を毎日欠かすことなく続けたそうです。
この粘り強さが良い方向に働いた結果、子会社の社員も少しづつ挨拶をしてもらえるように、最終的には子会社の社員の方々も心を許し、経営再建を実現できたそうです。
まさに、凡事徹底です。挨拶自体は誰もが、それを徹底して継続することは難しいです。
逆に、経営セミナーで聞きかじったような付け焼き刃の知識で現場を観ずに経営再建を目指していたら失敗していたことでしょう。実際、そのような問題に陥る方は多くいます。
このことからも、当たり前をすることの難しさと重要性を理解できますね。
イチローの名言に見る凡事徹底の精神
小さいことを重ねることが、とんでもない所に行くただひとつの道
イチロー
この名言以外にも「塵も積もれば山となる」や「継続は力なり」という格言があります。これらの名言や格言の「小さいこと」・「塵」・「継続」は凡事(当たり前のこと)を意味します。
このような格言が遺されてることからも、凡事徹底の重要性が分かりますね。
もちろん、イチロー選手であっても変わりません。高校時代、イチローは練習時間外で行う10分間の素振りを毎日の日課にしていたそうです。正直な話、一日だけなら10分の素振りなんてだれでもできるレベルの凡事です。
しかし、それを365日毎日続けられるか?と聞かれると答えに窮します。練習がきつかった日や体調の悪い日でもやらなきゃいけないわけですからね。
視点を逆にすれば、天才にして努力家であるイチローでさえ継続可能性を考慮すると、一日10分の素振りしかできないと考えられます。
凡事を徹底するために
これまでを通して、凡事を徹底することの難しさと重要性はお分かり頂けたと思います。
けで、ここからは凡事を徹底するための方法についてご説明いたします。
志(目的)と目標を設定する
ここで大事なのは、目標だけでなく志(目的)を持つということです。
そうでなければ、モチベーションが長続きしません。
例えば、
2つの志を比べたら、モチベーションに差があるのは当然のことです。
あの吉田松陰の名言には次のようなものがあります。
志定まれば、気盛んなり。
吉田松陰
現代的な言葉に言い換えると、志が定まれば、やる気に満ち溢れる(気盛んなり)という意味です。
先ほど示した例を振り返ってみると、後者には「将来海外で働きたい」という志(目的)がありますね。すると、モチベーションをもってTOEICの勉強に取り組めるわけです。
実際、先進的な企業では、エンゲージメント(社員の働くモチベーション)を高めるために、本人の意思を尊重するケースが増えており、その志に応じたキャリアプラン(手段)を提示する場合もあります。
ただ、会社にいるだけでは自分の志(目的)を果たせない場合も多くあります。そういう場合は、自分で目的を達成するためのステップを考える必要があります。そうでないと、失敗するリスクを高めてしまいます。
目標を細分化し、日々やることを明確にする
一度目標が定まったら、その目標を細分化し日々のノルマを明確化します。あとは明確化したノルマを淡々と実行するだけです。
その際のポイントは、日々こなせるレベルのノルマを設定することです。あまりに過剰なノルマを設定すると続かなくなります。例えるなら、フルマラソンなのに全力疾走するようなものです。
例えば、TOEICの点数を500点から600点に引き上げることを目標としていたとしましょう。この目標(500→600)を達成するために必要な時間は250時間と言われています。
・15分リーディング
・15分間単語や熟語の暗記
通勤・通学の時間を有効活用したり、スマホを無駄に操作する時間を勉強に利用すれば、一日当たり45分間なんて簡単に作ることが出来ますよね。
それを一年間続ければ、274時間の勉強時間を確保することができます。そうすれば、目標は達成できるはずです。
根性を出して徹底的にやり通す
志(目的)を定め、その目的に到達するための具体的な方法を考えたら、凡事徹底(当たり前のことを当たり前にやる)あるのみです。しかし、それが実に難しいのです。
ことわざにも「言うは易し行うは難し」とあるように、行動を起こすのは難しいです。しかも、その行動を継続させなければならないわけですからね。
「継続は力なりの本当の意味について」の記事にもあるように、継続は力なりという言葉は、「継続することが力となる」というだけでなく、 「継続するには力がいる」ということも表しています。
私の所属する会社でも、尊敬に値する技術力と知識量を持つベテランの方々がいらっしゃいますが、そのような方の話を聞いても、日々コツコツの学んだことが今に生きていると言っています。
ですから、自分自身を信頼し根性を出して、ただひたすらに凡事を積み重ねましょう。
特に、若い方は努力をする時間が多く与えられているので、時間を無駄にせず日々凡事徹底を尽くしましょう。そうすれば、将来的に成功する確率はぐっと高まるはずです。
まとめ
理由②:凡事を継続するモチベーションを維持できないからです。継続することには非常に多くのエネルギーが必要になりますからね。
最近のコメント