論文で数式エディッタが使えない時の書体設定法

学生向け

数式エディッタが使えない…

理系の研究室の所属していた人間からすれば、「数式エディッタ3.0」が使えなくなったことは周知の事実でしょう。セキュリティー上の問題だから仕方ないとはいえ正直困ったもんです。なんせ、学会の原稿での数式の記述様式が「数式エディッタ3.0」と定められてるんですからね…(日本機械学会の場合)

ほんとに困りますよね…学会側の対応が遅くて宙ぶらりんになってましたし。というのも、2018年12月にあった学会の原稿執筆要項に「数式は数式エディッタ3.0」を使用せよとの文言がありましたからね。(原稿の提出は8月)ちなみに、マイクロソフトで数式エディッタの使用が差し止められたのは2018年1月のことです…

いろいろ調べた結果、数式エディッタが使えない時の対処法が分かったので載せておきます。数式フォントのインストールは日本機械学会等でも挙げられている手法です。なので、おそらく問題ないと思います。一応、気になる方は自分の所属する学会の執筆要項を熟読してください。また、卒論・修論については教授に確認するか、学校の論文執筆要項を確認してください。

対策(数式ツールの利用)

数式ツールとは、wordの画面の「挿入タブ」を選択すると右上に出てくる赤枠で囲んだ部分の事を指しています。

数式の部分をクリックすると、こんな画面になります。

この画面上でさまざまな数式を作ることができます。

はい、めでたしめでたし!といかないのが論文です!論文は体裁が重要ですからね。なんとこの数式ツールのフォント「cambria math」をそのまま使ってはいけないそうです…理由はTimes New RomanやLatexのフォントと文字の形状が大きく異なるからです。(もちろん、そうでない学会もあるでしょうけど…)というわけで、対策法を以下に書いていきたいと思います。

標準テキストの使用

赤枠で囲んだ「abcテキスト」を選択すれば、「Times New Roman」に書体変更できます。しかし、これには問題点があります。それは、標準的テキストを使用すると英字が立体になる点です。一般的に論文では変数・定数は斜体、単位・関数は立体と決められていますが、標準フォントの場合すべて立体として表されます。もちろん、そこから斜体に変更することは可能ですが、一手間余分にかかることになります…また、新たに数式を作る際はそのたびに標準フォント「abcテキスト」を選択する必要があります。

つまり、めんどくさい方法だということです。そのかわり「Times New Roman」の書体を維持して書くことができます。そのため、どうしても「Times New Roman」じゃないとだめだ!って言う人にはオススメの方法です。頑固な教授の場合、そういうことを言ってくる場合もありますからね…

数式用のフォントのインストール

もう一つの対策は数式用のフォントをインストールすることです。論文に使えるフォントは2種類あります。「Latin Modern Math」と「XITS Math」の二つです。「Latin Modern Math」はLatex調のフォントになっており、「XITS Math」はTimes調のフォントになっています。どちらのフォントを選ぶかに関しては教授の好みに合わせておけば良いと思います。

「Latin Modern Math」のフォントデータは下記URLよりダウンロードできます。

https://ctan.org/tex-archive/fonts/lm-math/opentype

latinemodern-math.otfをダウンロードして、ファイルを開くと以下のようになります。後はインストールをクリックするのみです。これにより、新たなフォントをwordに取り込むことができます。

次に、左あたりにある変換と書いてある部分の右横にある右下矢印をクリックします。

すると、以下の画面が出てきます。数式エリアの規定フォントの部分をクリックして、「Latin Modern Math」を選択したら作業は終了です。これで、「Latin Modern Math」を使って数式を自由に記述することが可能になります。

 

「XITS Math」のダウンロードは下記URLから

https://ctan.org/tex-archive/fonts/xits/

基本的にダウンロード・インストール方法は前述したものと同じですので、割愛させていただきます。ただし、「Latin Modern Math」とは異なりダウンロード可能なフォントが複数あるので間違えないように「XITSMath-Regular.otf」を選択しましょう。「XITS Math」は「Times New Roman」に非常に良く似ていますが、若干形が異なります。なので、フォントにうるさい研究室に在籍している方は対策1を参考にしていただいた方が良いかもしれません。

まとめ

「数式エディッタ3.0」が使えない時の対処法は以下の二つ。それぞれの方法の利点・欠点についてもまとめておきますので、参考にしてください。

  • 標準テキストの使用
    利点:「Times New Roman」が使用可能
    欠点:操作性が悪い

  • 数式用フォントのインストール
    利点:数式用フォントなので、操作性は良好
    欠点:「Times New Roman」と全く同一なフォントは存在しない

本記事が卒業論文・修士論文・学会原稿を書く方の一助になれば幸いです。