説明下手な人の3つの特徴とその改善方法を紹介するよ

人間関係・自己啓発

僕は研究室のゼミにて、多くの発表・質疑応答を見てきました。3年間の合計をざっと計算すると、600回ぐらい聞いていることになります。これだけ人の発表・質疑応答を聞くと、説明下手な人の共通点も見えてきます。同級生ならば、3年間その人の発表を見ることになります。そうすると、説明下手な人がどのように説明上手になるのか?という過程もしっかり見えるようになります。今回はその経験を生かして、説明下手な人の3つの特徴その改善方法を紹介していきたいと思います。

「報連相」から見る説明の重要性

ビジネスコミュニケーションスキルの基本として「報連相」というものがあります。これは、ビジネスを行う上で重要な報告連絡相談の頭文字をまとめたものです。ちなみに、会社の新人研修では耳にタコが出来るほど、報連相についての講義を受けることになります。報連相ができなければ、上司が部下のマネジメントを出来なくなりますし、上司が「上司の上司」に報連相することもできなくなりますからね。だから、新人であろうと絶対に習得しなければならないビジネススキルな訳です。

まぁ、個人的にはビジネススキルというよりも、生きていく上で必要なスキルな気がするんですけどね。例えば、スマホが故障したとしましょう。その時は、故障した当時の状況について携帯会社の店員から説明を求められるでしょう。それを上手く報告できれば、話はスムーズに運びます。しかし、「何もしていないのに壊れた」など意味不明な報告をすれば、故障の原因を特定することもできず、話は全く進みません。結果として、お互いがイライラして精神的に消耗してしまうことすら考えられます。このように、「報連相」は日常生活でも必要なものなんです。

そんな「報連相」の本質は説明です。ここで、一度「説明」の意味を確認してみましょう。

ある事柄が、よくわかるように述べること。

出典:小学館 デジタル大辞泉

当たり前のことですが、「報連相」は相手あってのことです。相手が理解できなければ「報連相」とは言えません。自分はしっかり報連相しているつもりでも、上司から報連相が出来ていないと言われる原因はここにあります。以上のことから、基礎的なスキルと言われている「報連相」の基礎が「説明能力」にあることがお分かり頂けたと思います。

だから、説明すること(相手がわかるように述べること)は重要なのです。

説明下手な人の特徴

結論がない又は分かりにくい

このタイプの人がよく言われる言葉は、「結局何が言いたいの?」というものです。つまり、結論が分からないんです。結論が分からない話を聞くことは聞き手にとってかなりの負担になります。話し手の結論を自力で推測する必要が出てきますからね。すると、建設的な議論のためにエネルギーを費やすことが出来なくなります。と言われても分かり辛いと思うので、具体例を挙げます。

山田さんは「A社とB社のPCソフトのどちらを購入するべきか調査せよ」という仕事を与えられていました。山田さんなりに頑張って製品調査を行い、以下のような説明を行いました。

「A社の製品の特長はランニングコストの安さです。B社の製品と比較してランニングコストは1/2となっています。一方で、A社の製品は初期費用が高く、B社の2倍となっています。サポートに関しては電話問い合わせも可能なB社のほうが優れいていると考えます。A社は電話問い合わせには対応していませんが、メールでの対応が素早いことで知られています。性能の観点から見ると、最新の技術を搭載しているA社のソフトのほうがB社よりも優れています。(この後も2社の比較が延々続く…)」

このように説明されると、確かによく調べているなとは感じます。しかし、結局どっちを買えばいいのかという結論を伝えられていません。また、この状態で議論しようにもどこから手を付けてよいのかわかりません。そのため、「この人の説明はよくわからないし、適当に聞いたふりをしておこう」みたいなことになってしまいます。

話が脱線する

このタイプの人がよく言われる言葉が、「要らない話をしないで」や「それがどう関係するの?」というものです。つまり。話さなくても良い無駄な部分まで話しているというわけです。当たり前のことですが、余計なことまで話すと話の時間が長くなります。話の中身が変わらないとすると、話の密度が薄くなってしまいます。すると、聞き手も聞く意欲を無くしてしまいます。つまり、話が本筋からそれることは時間を無駄にするだけでなく、聞き手の関心をも薄めてしまうのです。

こちらも具体例を挙げましょう。山田さんは「A社とB社のPCソフトのどちらを購入するべきか調査せよ」という仕事を与えられていました。山田さんなりに頑張って製品調査を行い、以下のような説明を行いました。(上の話に続く…)

「そういえば、B社の電話サポート体制を知っていますか?あそこのサポートは24時間体制でいつでも問い合わせ可能なんです。しかも、全オペレータが有資格者だそうですよ。難易度が高くて有名な資格なのに、すごいとおもいませんか?ちなみに、難易度も高いですけど、受検料も相当するらしいですよ。B社の人に対する投資の姿勢はわが社も見習いたいものですね~」

本筋から完全にそれていますよね?この例は少し極端な例ですが、このようなことも実際に起こります。こんな感じで話をされると、聞く気が失せる上イライラもします。

聞き手への配慮が不十分

このタイプの人がよく言われるのが、「もっと優しい言葉」で話してくれというものです。話し手にとっては常識的な知識であっても、聞き手にとっては常識的でないというのはよくあることです。そして、話し手にとっての常識的な知識は気づかないうちに省略されます。そういった知識が主張の前提や根拠になってしまうと、聞き手にとっては要領を得ない話になっていしまいます。

こちらも具体例を挙げましょう。山田さんは「A社とB社のPCソフトのどちらを購入するべきか調査せよ」という仕事を与えられていました。山田さんなりに頑張って製品調査を行い、以下のような説明を行いました。(上の話に続く)

A社のソフトには、B社のソフトには実装されていないMTDSシステムが組み込まれています。これにより、FSTS時における処理速度が従来のRTDSシステムの十倍という驚異的な数字になっています。これにより、業務の効率化が図れると考えます。

もし、聞き手側がMTDS、FSTS、RTDSという言葉の意味を知らなければ、この説明は全く役に立たないことになります。このように、聞き手が分からない単語を羅列してしまうと筋が通っていたとしても理解されません。

これを逆手に取ると、専門用語を羅列することで自分にとって都合の悪い話をぼかすこともできます。

説明下手の改善法

それぞれの問題に対する改善法をまとめました。先ほどの具体例を改善した文章も書いていますので、以前の文章とどのように異なるのかを見比べてみてください。

結論が分かりにくい場合

まず、結論から述べましょう。結論から話をすると、ゴールが予め見えるので話を追うことが簡単になります。そのあとに、結論に至った根拠をいくつか並べます。可能ならば、根拠に対する根拠も用意しておきましょう。そして最後にもう一度結論を述べます。これだけで説明が非常にわかりやすくなります。話の順序を図解すると次のようになります。

より本質的なについては論理的思考力養成講座をご覧ください。

論理的思考力養成 基礎編④ 根拠について

2019年1月15日

話が脱線する場合

今話している内容が結論-根拠の関係で結ばれているかということを常に意識しておくべきです。関係ないことを話し出したら、自制して本筋に戻るようにしましょう。もし、本筋とは関係ない部分で自分がどうしても話したい場合は、聞き手のほうに許可を取って「本筋からは少し離れますが…」と先に述べたほうがよいです。そうでなければ、聞き手側は結論とどう関係するのだろうか?と考え続けることになりますので…

聞き手への配慮が不十分な場合

話す相手がどういう人物なのかを考えてから話すようにしましょう。説明や議論する分野において、自分と同等又はそれ以上の知識を持つ人物なら、基本的に配慮をする必要はありません。専門用語も多用しても問題ありません。そうでない場合は、聞き手の特徴を考え、相手の理解できる言葉を使って説明する必要があります。

例えば、高齢者だったら外来語が苦手な人が多いため、できるだけ日本語を使って説明をした方が良いでしょう。積分を知らない中学生に、X,Y軸と直線Aに囲まれる領域の面積を教えるなら、三角形の面積を求める公式(縦×横×1/2)を使って指導をする必要がありますね。

もしどうしても、専門用語を使わなければならない場合、聞き手にも理解できるように内容を噛み砕く必要があります。

改善した文章

結論から申しますと、A社の製品のほうがわが社には適していると考えます。まず、コスト面においてA社のほうがB社よりも優れます。実際、A社はB社と比較してランニングコストが1/2となっています。確かに、導入時のコストという観点ではB社に軍配が上がりますが、2年以上の継続利用の場合A社のほうがトータルのコストが安くなります。前代のソフトも4年間の継続実績がありますので、この種のソフトはランニングコストの削減を意識したほうが良いと考えます。そのため、コスト面において、A社のほうが優れていると考えます。

性能面に関しても、MTDSシステムが採用されているA社のほうが優れていると考えます。MTDSシステムとは、処理を並列的に行うシステムのことで、パソコン本来の処理能力を引き出すことができます。特に、処理するべきデータが飽和している時(FSTS時)に関しては、従来の直列的処理システムであるRTDSシステムの十倍の処理能力を誇ります。わが社は業務の特性上データの流入量が夕方3~4時にかけて増加し、処理するべきデータが飽和状態になっていました。MTDSシステムを使用すれば、飽和状態の継続時間が大きく削減することができ、顧客とのデータ交換がよりスムーズにできるものと考えます。

サポート面に関しては、24時間の電話対応を行っているB社のほうが優れていますが、システム担当の社員へヒアリングをした結果、メール対応のほうが都合が良く、電話対応を依頼する機会はほとんどないだろうとの回答を得ています。そのため、わが社からするとサポート面に特別な差はないと考えています。

以上の3点から、A社の製品のほうがわが社には適していると考えます。

解説

「A社の製品が適する」という明確な結論が冒頭に出ていますね。このように書くと、ゴールが初めから見えているので、聞き手にとっては非常に楽です。次に、「A社の製品が適する」という結論の根拠について話を進めています。根拠として、コスト・性能面で優れること、サポート面に大差はないことを示しています。

さらにその根拠の根拠となる部分についても言及しています。コスト面の優位性については、「2年以上の継続利用であれば、初期費用とランニングコストを合算したトータルコストがB社よりも安くなること」・「前代のソフトには4年の継続実績があること」を根拠としています。また、性能面の優位性については、業務におけるMTDSシステムの有用性を根拠としています。サポート面については、システム担当スタッフへのヒアリングからB社の強みである電話対応が会社にとって有用でないことを根拠にサポート面には差が存在しないという主張になっています。そして、最後にもう一度結論について述べています。

結論に対する根拠はもちろんのこと、根拠に対する根拠を述べることで、より説得力を持たせることができています。

また、改善した文章を見たらわかるように、書いている内容の全てが根拠-結論の関係で結ばれています。つまり、話が脱線していないことになります。また、MTDS・FSTS・RTDS等の専門用語についても解説が入れられています。そうすると、専門用語の知識がない人でも話し手の主張を理解することが出来ます。

このように、説明下手に共通する3つの問題を修正するだけで、説明が格段に理解し易くなることがお分かり頂けたと思います。

まとめ

最後に、説明が下手な人の特徴とその改善法について簡潔にまとめます。

  • 結論が分かりにくい
    始めに結論を述べてから、結論に至った根拠について話す。可能なら、さらに根拠の根拠まで説明する。そして、もう一度結論を最後に述べる。
  • 話が脱線する
    今話している内容が結論-根拠の関係で結ばれているかを常に意識する。
  • 聞き手への配慮が不十分
    聞き手の特徴を踏まえて、専門用語等を聞き手が理解できる言葉まで噛み砕いて説明する。