疑り深い人の心理と対処法について

世の中には疑り深い人がいます。人の言うことをなかなか信じられない人が。そういう人と接する場合には、気を付けなければならないことがあります。余計なトラブルを避けるためにも、疑り深い人の心理や特徴と、その対処法について知っておいて下さい。

疑り深い人の心理について

疑り深い人の心理とは

人は経験から学び、人格が形成されるものです。そうした視点から考えると、疑り深い人は他人に裏切られた過去があったり、育ってきた環境が信頼に満ちたものでなかった可能性があります。

そこまで疑り深くなくとも、自分で確認しなければ気が済まない人はいますね。私もどちらかと言うと、人から伝えられた情報は鵜呑みにしないように心がけています。でないと、いらぬトラブルに巻き込まれる可能性があるからです。

そうした、疑り深さにもいくつかのパターンはあるでしょう。どちらかと言えば、私の場合は、哲学に触れてきた影響が大きいと思います。懐疑論なんて言葉を目にしたことがあるかもしれませんが、デカルトの哲学がその最たるものいえます。

彼の場合は、真理を探求する過程で、あらゆるものが偽である可能性を徹底的に考えました。実に7年にも及ぶと言われています。そして、その果てに、疑いえない自己の存在に気付きました。これが「我思う故に我あり」という有名なフレーズに表されています。

これほど特殊なパターンでなくとも、日常生活において、人のことを言うことを信じない人や、人間そのものを信じられないという人もいるでしょう。それは十分な信頼関係を築けなかったり、自分自身のことさえも信じられないという心理に原因があるかもしれません。

あるいは、自分で物事を深くまで考えたり、判断したりする人に見られる特徴でもあります。自分で確認しなければ気が済まない人です。この場合は、疑り深いというよりも、 自分で直接確認して、物事を知りたいという欲求の表れと捉えることもできます。

あまりにも疑り深いと、人と共同で何かをしたりできず、日常生活においても支障を来す場合があります。しかし、マイナス面ばかりではありません。ある程度の疑り深さは、むしろ必要とさえ言えます。

疑り深いことのメリット

振り回されない

ある程度の疑り深さにはメリットがあります。それは 人の情報によって左右されないことです。経験された方はご存じでしょうが、他人の言動に振り回されると、精神的にも、時には身体的にもとても疲れます。ですから、あまり信用できない人だと判断したなら、その人とは距離をとることをおすすめします。

(※  信用できない人の多くに共通する特徴については、「あまり信用できない人間の特徴について」の記事を参照して下さい。)

あまり信用できない人間の特徴について―良い人間関係を築くために気を付けなければならないこと

主体性を培える

また、主体性をつちかうこともできます。主体性とは、 自分で考えて、自分から行動できる人の性質をいいます。誰かの情報を鵜呑みにして、うまくいかなかった時、人の心理はどのように動くか?ほとんどの場合は、他人のせいにしたりします。

例えば、どこかにお出かけしていて、傘を持たずに雨が降ってきたシチュエーションを想像して下さい。出かける前に、その日の天気を天気予報などで自ら確認もせずに、人に聞いた話だけをアテにしていたらどうなるでしょう?

「今日は雨が降らないと言ってたじゃないか!だから傘を持って来なかったんだぞ!」

たいていの、人はこんな風に考えてしまうものなのです。本当の責任は天気予報で直接調べなかった自分にあります。ですが、防衛本能があるので、転嫁できる場合は、責任をなすりつけるような心理が働くのです。

自分の責任として受け止められれば反省のしようもあるでしょうが、人のせいにしてばかりだと、成長することは望めませんからね。自分で物事を捉えて、自分で考えるということは、生きていく上で、とても重要なんです。

騙されにくい

また、騙されにくいというメリットもあります。疑り深い人は、何か話を提示された時には、根拠を重視します。出典は何か?信用できる出版社か?データの数値は正確か?データの対象は?母数は?方法は?恣意的な選別を行ってないか?

挙げだしたらキリがありませんが、提示された根拠が適切かどうかについては、十分吟味します。権威のある出版社や著作を挙げられても、本当にそのように書かれているのか、自分で可能な限り確認します。よく名言として言われる言葉も、厳密には違うなんてことはザラですからね。そうした言葉を用いる場合は、お気をつけ下さい。

疑り深いことのデメリット

疑り深いことにメリットがある反面、デメリットもあります。

コスパが悪くなる

全部自分で確認するというのは、時間と労力を要します。本来なら、簡単に人任せにできることでも、自分でやるとなると手間が余計にかかるわけです。その点、コスパが悪くなる可能性があるのです。

信頼関係を築きにくい

人は疑われると良い気はしません。ほとんどの人は、自分のことを信じて任せて欲しいと思うものです。信用してくれない人なんて信用しない、という感情が強く働くこともあります(このあたりは「嫌い」という感情と混同されそうですね)。

疑り深さが度を越すと、日常生活に支障をきたすこともありえます。「だったら1人でやれば?」なんて言われることなるかも。ですから、バランスを取ることが重要になるわけですね。一番良いのは、心から信じられる人を見つけることです。

疑り深い人の対処法について

情報に対して疑り深い人

疑り深い人が周りにいると、何かとトラブルを引き起こすことがあります。そうした人への対処法を身に付けておきましょう。

適度に疑り深い人には、何の対処もいりません。人として疑っているわけではないけど、 人の情報には間違いが、意図せずして含まれることがよくあることを知っている人です。むしろ、こちらをフォローしてくれることさえあります。

先に挙げた例でも、お出かけの際の急な雨にも、「雨が降らない」と言ったはずなのに傘を持ってきてくれることもあるでしょう。そういう人の心理は、「雨が降らないとは言っていたけど、専門家の意見でもないし、天気予報を確認したら降水確率40%になってたから傘持ってきた」という感じです。

これは人を信用していないわけではないけど、間違いに備えていたという事例です。こういう人からトラブルに巻き込まれることは、ほとんどありません。そのような態度に、「私の言うこと信じてなかったの?」とヒステリックに絡まない限りはね。

人に対して疑り深い人

話が通じない人への対処法

問題となるのは、あまり他人を信用することのない疑り深い人です。それでも、他人との関わりを極力もたないようにしようとする人であれば、特に害はないので問題ありません。しかし、人と関わりを持とうとしているのに、疑り深い人というのはやや問題があります。

そういう人は、他人を信用しようとしないから、何かにつけて探りを入れてこようとしたり、意味のない駆け引きを仕掛けてくることが極めて多いです。或いは、他人同士が親しくなるのを、あまり快く思わない人が多いので、場合によっては、分断を図ってくることもあります。

Aさんには「Bさんが悪く言ってたよ」と言いつつ、Bさんには「Aさんが悪く言ってたよ」なんてことを言って、AさんとBさんの関係を悪化させようと目論むのです。AさんとBさんの分断を図ることで、2人が親密になることからくる、自身の疎外感を受けなくするわけです。要するに、仲間外れにされるかもしれないという恐怖感から逃れたいんですね。

こういうタイプの人で、話が通じない場合は、正直お手上げです。プライベートでは関わらないことをお勧めします。対処のしようがありませんから。トラブルに巻き込まれないためにもね。仕事場など、接触が避けられない場合でも、極力距離を置いた方がいいでしょう。

話が通じる人への対処法

では、話が通じる人ならば、どうでしょう。こういう人なら対処のしようもあります。1つは、信頼関係を築くこと。その信頼関係とは、 理詰めでコミュニケーションを取ることで築かれるものです。すべて、論理的に説明をする。嘘偽りなく。

都合の悪いことがあれば、話題には出さず、触れなければよいのです。もし、嘘偽りとは言わないまでも、誤解が生じやすい話をすると、相手の疑心はますます深まるばかり。決して、信頼関係は築けません。つまり、誠実さをもって相手に接していれば、何の問題もありません。

2つめが、 相手の精神的テリトリーに踏み込まないことです。疑り深い人は、入って来られるのを嫌います。変に踏み込まれると、「この人は、私を騙そうとしているのではないか…」などと疑心を深めます。根っから陽気な人を除けば、人を騙そうとする人間は、たいてい馴れ馴れしく寄ってきますからね。ですから、必要以上に干渉しないことです。

ここでつまづく人をよく見かけます。間違っても、自分を信頼させようとして、ああだこうだ言ってはいけません。人を信じさせるには、信じさせることを目的としてコミュニケーションを取っても意味がありません。何か提案があったとしても、事実を淡々と述べればいいのです。話す内容は、事実を事実として述べるにとどめるべきです。

その際、注意すべきは、誇張表現を使わないこと。数人の限られた話にもかかわらず、「みんなが□□だった」などと表現してはいけません。大したことでもないのに、「すごく○○だった」なんてのもご法度です。

人によって捉え方が異なりそうな事柄に関しては、「みんな」とか「すごく」といった主観的な判断は、話さないように心がけましょう。逆に言えば、そういう表現を多用する人は、あまり信用できないといっても過言ではありません。

(信用できない人の特徴については、「あまり信用できない人間の特徴について」の記事をご覧下さい)

あまり信用できない人間の特徴について―良い人間関係を築くために気を付けなければならないこと

 

まとめ

疑り深いということが、すべて悪いというわけではありません。疑り深さにも、程度によってはメリットもあります。

・情報によって、ヘタに振り回されない

・自ら考え、行動するという主体性が培える

・騙されにくい

ただ、いきすぎると、デメリットもあるので、気を付けなければいけません。

・時間や労力に対するコスパが悪くなる

・信頼関係を築きにくい

そうした点を踏まえて、疑り深さのバランス感覚を身に付けましょう。

そして、疑り深い人と接する場合の対処法は、ヘタに踏み込まないことです。

・話が通じない人とは距離を置く

・話が通じる人に対しては、「信じさせよう」とすることを目的とせず、事実を伝えることに重点を置き、淡々と話す

そうすることで、いらぬトラブルに巻き込まれることも少なくなり、信頼関係を築くことができるようになります。

by    tetsu