初心者のためのスノーボード基礎(ウェア・インナー編)

スノーボード

今回はスノーボード初心者が快適にスノーボードを楽しむ方法について服装の観点から書いていきたいと思います。

初めに…

スノーボード初心者は雪山を甘く見がちです。私も初心者の頃は雪山を超舐めていました。本当に無知って怖いですよね。ニット帽もゴーグルも手袋もなしで滑ってましたから…流石に手袋なしはきつかったので、途中購入しましたけど。その時のスノーボードは寒いし痛いで本当に楽しくありませんでした。これから、スノーボードをしたいって言う人にはそういう思いをしてほしくないんです。だって、本当はとても楽しいから。

ウェア編

レンタルウェアの場合

レンタルウェアの場合は、どうしてもデザインに目が移ってしまいますよね?その気持ちはむちゃくちゃ分かります。ただし、それより優先するべき事項があります。それは、ウェアのお尻の部分の縫製状況です。レンタルウェアを着る人はその性質上、初心者ばかりです。初心者の中には急斜面が怖くなり、お尻で滑ってしまう人もいます。そういう人が来たウェアではお尻の縫製がほつれます。お尻の部分の縫製が甘くなると座った時に水がしみ込んできます。これがなかなかに不快なんです。だから、お尻の部分の縫製状態が良いウェアを選択しましょう。防水スプレーをお持ちなら、お尻の部分を重点的にスプレーしておくのも対策として有効でしょう。これだけで、変わります。

ウェアを購入する場合

ウェア代ってやっぱりケチりたいですよね?初心者の時って本当にスノーボードにハマるか分からない状態ですしね。でも、もしハマってしまうとしたらかっこいいウェアが欲しいとなります。そのような雁字搦めの状態を解決する方法が二つあります。

上を高く、下を安く

上半身のウェアには自分の気に入った色や柄を選択しましょう。下半身よりも上半身の方が目立ちますからね。なので、上半身のウェアに多くの予算を割きましょう。一方で、下半身のウェアはケチっても問題ありません。上半身の色や柄に合わせて単色のものを選べは安く済ませることができます。この方法における最大の利点は、買い替え時の損失を最小限に抑えることができる点です。もし、スノーボードにハマってしまえば、自分の好きな下半身のウェアに気軽に買い替えられますからね。そうすれば、上下ともに気に入ったデザインでスノーボードをすることができます。

つなぎのウェア

中には、ダサいデザインでなければ何でもよいという人もいるでしょう。そういう人にオススメなのは、つなぎのウェアです。まず、上下を分けて買うよりもコスパが圧倒的によいです。また、つなぎのウェアはそれだけでデザインが完成されているので、それほどファッションセンスが問われません。その上、雪が入り込まないという最強の利点があります。上下セパレートのウェアだとお腹から雪が入ることがあります。当たり前の事ですが、お腹に雪が入るとむっちゃ冷たいです…まぁ、セパレートタイプでもパウダーガードってのがあるので、普通にすれば大丈夫なんですけど、初心者の方は上手くつけられないことが良くあります。なので、始めから雪の入る余地のないつなぎタイプがオススメです。

そんなつなぎのウェアにも3つの欠点があります。1つ目はトイレがめんどくさい点です。これは、ウェアを着る前に用を足してしまえば、何とかなります。2つ目が休憩時です。上下セパレートだと気軽に上半身のウェアを脱げますが、つなぎだとそうはいきません。レストハウスは想像以上に暑いので、ウェアを着たままだと結構しんどいです。3つ目の欠点が着回しができないことです。新しく買い替える時、上下両方を同時に買う必要がありますからね。

機能面について

ウェアを選択する際、機能面を重視する場合は、耐水圧透湿性を確認しましょう。一見、大事そうなのって耐水圧だとおもいますよね?でも、実は透湿性の方が重要なんです。なぜなら、初心者は転けては立ち上がりの繰り返しだから。想像以上の運動量で汗をかきます。その汗の逃げ道をつくってやる必要があるわけですね。目安としては、10000g/m2ぐらいです。もう一つ、オプションとしてベンチレーションも欲しいです。ベンチレーションとは脇や太ももなど湿気の溜まりやすい場所に取り付けられているチャックのことでこれがあるのとないのでは大きな差がでます。ですので、ベンチレーションの有無もチェックしましょう。

一方で、耐水圧はある程度あれば大丈夫です。なぜなら、スキー場ではほとんど雨が降らないからです。雨の場合、雨粒が大きくなれば衝突速度が速くなるので、一定以上の耐水圧が必要となります。大体、耐水圧300mmで小雨、耐水圧2000mmで中雨、耐水圧10000mmで大雨、耐水圧20000で嵐ぐらいに耐えられると一般的には言われます。だれも嵐の中でスノーボードしませんもんね。それでも、耐水圧は10000mm程は欲しいです。なぜなら、座った時に自重により水圧が生じるからです。その時の水圧が2000mmと言われます。(体重75kgの場合)また、膝をついたときに加わる水圧は11000mmと言われます。こけた時に膝立ちになってしまうことが結構あるので、最低でも10000mmは欲しいところです。

以上のことから、透湿性10000g/m2、耐水圧10000mmほどの性能は欲しいところです。また、ベンチレーションの有無もきちんと確認しておきましょう。

インナー編

ウェアの下に着る代表的なインナーといえば?

と聞くと、大体の人がヒートテックと言います。確かにヒートテックは日常生活においてはコスパ最強の優秀なインナーです。私も冬はいつも着ています。しかし、スノーボードには適しません。その理由はヒートテックの発熱メカニズムとその材質です。

ヒートテックのメカニズムは体から放出された水蒸気のエネルギーをレーヨンの繊維で捉えることにより発熱します。そのため、運動時に発生する大量の水蒸気により、発熱量も増加します。これが問題となるのです。滑っている時は想像以上に体が熱くなります。すると、大量の水蒸気を放出します。そして、インナーが発熱しさらに体が熱くなります。運動時にはこのループが回り続けるので、大量に汗をかくことになります。一方で、リフトに乗っている時、ヒートテックは機能しません。それだけでなく、体が冷える原因にもなり得るのです。

ヒートテックの主繊維であるレーヨンはポリエステルと比較して放湿性が劣ります。ちなみに、一般的なスポーツウェアのほとんどが放湿性に富むポリエステル製です。日常生活レベル運動ならば、ヒートテックでも問題なく放湿できますが、激しい運動となると放湿が追いつかなくなり、体は汗でベタベタになります。その状態で運動せずにリフトに乗れば体が冷えてしまいます…

つまり、スノーボードは暑さと寒さとの戦いといえるわけです。そのため、理想的なインナーとは適度な保温性高性能な吸湿・放湿性能を持つ衣服ということになります。

保温性を持たせるキーワードは空気の層です。空気は熱を伝えにくいです。例えば、住宅を二重窓にすると室内の保温性が増すのは、窓が二つあるからではなくその間の空気があるからです。車のエンジンがわざわざ水冷になっているのも、空気が熱を伝えにくいためです。というように、空気には断熱性があります。だから、重ね着をすることにより保温性を上げることが重要になります。もちろん、保温性を上げ過ぎて暑くなっても困るので、外気温から逆算して重ね着の量を計算しましょう。あくまで個人の感覚ですが、私は外気温に合わせて以下のように重ね着の量を調整しています。北海道や志賀高原などの超寒冷地に行く場合は、もっと厚着したほうが良いでしょう。行ったことがないのでわかりませんが…

5℃~:薄いインナー1枚(シルキードライ等)
0℃~5℃:薄いインナー1枚とスポーツウェア(ポリエステル製)
-5℃~0℃:薄いインナー1枚とスポーツウェアと厚手のスポーツウェア(裏起毛系)

※昔はポリエステル繊維は吸湿性が低かったが、技術革新により現在は綿と同じくらい吸湿できるようになったそうです。

さて、身近にある高性能な吸湿・放湿性能を持つ衣服ってなんでしょうか?

どう考えても、スポーツウェアだよね。スポーツウェアは体から出た水蒸気を効率よく吸収・放出してくれます。だから、インナーにはスポーツウェアを着ましょう。どうしても、パーカーなどを着たい場合はキチンと繊維の材質を確認しましょうね。パーカーは生地が分厚く体の可動範囲を狭めるので、個人的にはお勧めしません。

もう一つおすすめなのが、シルキードライです。シルキードライをスポーツウェアの中に着こむのが理想的です。シルキードライは吸湿・放湿に優れ着心地もかなり良いですし、生地が薄いので体の動きを邪魔しません。冬にシルキードライを着るって変な感じですが、良く考えてみると合理的だったりします。

というわけで、スノーボードのインナーはスポーツウェア・シルキードライをお勧めします。ヒートテックやそれに準ずる自家発熱製品の使用はお勧めしません。

まとめ

ウェア

  • レンタルの場合は、お尻に縫製をしっかりチェックすること。
  • 上下セパレートで購入する場合は、上の服に予算を多めに割き、下の服は単色系のデザインで経費を抑えること。そうすれば、ハマったとき無駄なく買い替えが可能。
  • つなぎタイプのメリットはコスパとお腹に雪が入らないこと。デメリットは、トイレが面倒、レストハウスで服を脱げない、買い替え時に上下両方購入する必要があること。
  • ウェアの性能は耐水圧10000mmで透湿性10000g/m2を満たしていること。

インナー

  • ヒートテック系をインナーにしないこと。
  • 重ね着で「保温性」を調整すること。
  • 吸湿・放湿性能に優れるスポーツウェアとシルキードライはインナーにおすすめ。
  • パーカーはインナーにおすすめしない。身体の可動範囲が小さくなるため。