ビスマルクの格言「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」が本当に正しいか考えてみた

人間関係・自己啓発

初代ドイツ帝国宰相であるオットー・フォン・ビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言を遺しました。かなり有名な格言なので、多くの人が知っていることでしょう。しかし、その意味は本当に正しいのでしょうか?というわけで、今回は「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言について考えていきたいと思います。

経験に学ぶとは?

経験に学ぶ」とは、自分が経験から学ぶということです。

分かりやすいように、2つほど例(スノーボードと建築)を挙げましょう。

レッスンも受けず、参考書も読まず、スノーボードを始めてもなんとか滑れるようになります。これは、まさに経験に学ぶと言えますね。当たり前のことですが、上達の効率はあまり良くありません。下手すれば、変な癖がついてしまうリスクさえあります。

自分で家を建てたいと考えたときに、書籍や他人に頼らずに一からを家を建てようとしたって失敗することは目に見えていますよね。仮に成功したとしても、莫大な時間と労力を無駄にすることになるでしょう。

そのため、「愚者は経験に学ぶ」と言われるわけです。

歴史に学ぶとは?

「歴史に学ぶ」とは、他人の経験や学術的な知識(=歴史)から学ぶということです。

先ほどと同様に、スノーボードと建築を例に挙げて考えましょう。

参考書を読んでレッスンを受ければ、一日でスノーボードの基礎は身に付きます。これは、まさに歴史(=他者が経験したこと)に学ぶと言えます。こちらのほうが効率が良いのは火を見るよりも明らかです。

また、自分で家を建てたいと考えるなら、書籍を買って基礎的な知識を身に付け、大工さんに指導してもらい実践的な知識や技能を身に付けますよね?そうすれば、質の高い家を短期間で作ることが出来るようになるでしょう。

そのため、「賢者は歴史(=他人の経験や学術的な知識)に学ぶ」と言われるわけです。

経験に学ぶことは本当に愚者がすることなのか?

しかし、経験に学ぶことは本当に愚者がすることなのでしょうか?確かに、先ほど示したスノーボードの例や建築の例なら愚者と呼べるかもしれません。お金を出しさえすれば、より効率よく学べるわけですからね。

しかし、経験しないと学べないことがあるのも事実です。知覚・直感・メンタルなどなど…

例としては職人が挙げれられるでしょうか?職人は己の研ぎ澄まされた知覚・直感によって、常人には成し得ない作品を作り上げます。その領域にたどり着くためにはひたすら修行があるのみです。それは、まさに経験に学ぶと言えるでしょう。

もっと身近な例で言えば、自身の体調変化が挙げられます。僕には自分の中だけで通用する風邪の前駆症状があります。手足がひりつくとかつばを飲み込む際に微妙な違和感をかんじるとかね。皆さんにもそういった例ってありませんか?それもまた経験に学ぶと言えるでしょう。時として、それは一般的な判断基準よりも正確だったりします。

また、メンタル面もそうですね。こればかりは実際に体験してみないとわかりません。仕事が上手くいった時の達成感とか別れの喪失感とか。事前に周りの人からその感情について語られても、やはり自分が経験しないと真には分からないものです。そして、そういった経験を通じて人は成長していくものだと思います。(若輩者のくせに偉そうですみません…)

つまり、経験に学ぶことも歴史に学ぶことと同様に大事なわけです。そう考えると、賢者は歴史と経験の両方からバランス良く学ぶといえます。

実際、賢者の英訳は「wise old man」ですからね。おそらく、お年寄り=経験豊富=賢者という考えから来たのでしょう。そう考えると、経験に学ぶこともまた賢者の構成要件になるわけです。また、単なるイメージですけど、歴史だけに学ぶと頭でっかちになりそうですし。

本当の愚者は歴史からも経験からも学ばない

本当の愚者は歴史からも経験からも学びません

そういう人は、予めの注意すべき点を教えてもらったのに、その点で失敗してしまう。(=歴史に学べていない)その上、同じ失敗を繰り返してしまう。(=経験に学べていない)

というようなことになってしまいます…なんかThe 仕事のできない人って感じですね。

しかし、そういう人も心がけ次第で何とかなります。人の話をメモしながら聞く(=歴史に学ぶ)とか失敗したところを振り返る(経験に学ぶ)とかね。

まとめ

愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶは本当か?と聞かれると、僕は違うと考えます。なぜなら、賢者は歴史にも経験にも学ぶからです。知覚・直感・精神といった人の根幹を成すものは経験を通してしか学べませんからね。

一方で、愚者は賢者の正反対です。つまり、愚者は歴史にも経験にも学ばないと言えます。確かに、人の注意を聞かずに失敗して、さらにその失敗を繰り返す人はまさに愚者ですからね。

これらのことから、愚者は歴史にも経験にも学ばず、賢者は歴史にも経験にも学ぶと言えるのではないでしょうか?