最近世の中では「マウンティング女子」や「マウンティングおじさん」など、様々なマウンティング○○が生まれています。それだけ、他者に自身の優位性を誇示することでしか自信を保てない人が増えているのかもしれません…
というわけで、今回はマウンティングの意味とマウントを取りたがる人の特徴・心理から対策法を考えたいと思います。
目次
マウンティングの意味
マウンティングの原義的な意味は次のように定義されています。
~中略~
動物社会における順序確認の行為で、一方は優位を誇示し他方は無抵抗を示して、攻撃を抑止したり社会的関係を調停したりする。馬乗り行為。
引用:大辞林 第三版
本来のマウンティングには、群れの統制という極めて重要な目的がありました。序列がないと群れの間での内紛が絶えず起こり、群れを維持することができなくなりますからね。ここで、重要なのは戦いの結果が群れ全体で共有されている点と自分より優れる存在に戦いを挑む点です。だからこそ、群れを率いるリーダーを選出でき、力の落ちたリーダーに取って代われるわけです。猿山のボス猿なんて丁度良い例だと思います。
この傾向は人間のみならず様々な動物においてみられます。ダーウィンの適者生存の法則からみても、戦いによって序列を明らかにして、マウンティングより権力を周囲に示すという方法は、合理的な生存戦略と言えるでしょう。
しかし、最近の世の中でのマウンティング行為には、全く意味がありません。なぜなら、マウンティングの土台となる戦いを一切しないからです。そもそも、マウンティング行為が存在するのは、毎回権力者の座を奪い合うコストを最小限に抑えるためだと考えられます。そりゃ、毎回闘争していたら、組織が疲弊してしまいますからね。
では何を目的として現代人はマウンティング行為を行うのでしょうか?それは動物としての本能の名残で、自己満足・自己承認を目的としたものであると考えられます。
そのため、現代的なマウンティングの意味は、自分より下と考える人を対象とする自己満足・自己承認を目的とした非生産的な示威行為と言えるかもしれません。
マウントを取りたがる人の心理と特徴
マウントを取りたがる人の心理状態は主に二つ挙げられます。一つ目は、「自己評価>>他者評価」です。自己評価と他者評価のギャップを埋めるために、マウンティング行為するわけですね。
二つ目は「確固たる自信がない人」です。本当に確固たる自信がある人は、多くの人に馬鹿にされても自分の道を突き進むことができます。つまり、人の評価に依存しないわけです。逆に言うと、自信の無い人は他者評価に依存してしまうわけですね。そして、他者の評価を欲しがるあまりにマウンティング行為に走ってしまうわけです。
現時点で権力がない人
権力の無い人又は権力を失った人が自分の優越性を示すために、マウントを取ろうとすることがよくあります。冒頭で紹介したマウンティングおじさんなんてその典型ですね。同じ役職・地位でありながら、年長であることを理由に自身の優越性を主張するケースが良く見られます。
このタイプの人は、自分自身を支える地位や名誉がない分、マウンティング行為をしてしまうと考えられます。もちろん、これはあくまで傾向の話で全員に当てはまるわけではありません。
確固たる自信のない人
確固たる自信のない人は、他者評価に依存しません。そのため、自身の優越性をわざわざ他人に示す必要がないわけです。一方で、確固たる自信のない人は、埋め合わせのために他者承認を得ようとします。そういった人が他者承認される環境にいる場合は問題ありませんが、一切評価されない環境にいた場合どうでしょう?
おそらく、評価してもらうために、自分自身が優れていることを他人に知ってもらうとするでしょう。それが悪い方向に行くと、マウンティング行為に繋がってしまいます。もちろん、そうではない人も沢山いますが…マウンティング女子と呼ばれる人達の多くはこの特徴を有します。
過去の栄光に縋り付いている人
過去の実績・地位・名誉に胡坐をかいて、マウントを取る人も多くいます。例としては、「私は~大学卒業だから君より優れるんだ」とか「私は昔~という会社の管理職をしていた人物で偉いんだ」などが挙げられます。
このタイプの人は、過去の栄光に比較して、パッとしない現況に対するギャップを埋め合わせするためにマウントを取ろうとします。
自分を過大評価している人
自分を過大評価しているケースもマウンティングに繋がることがあります。当たり前のことですが、自分を過大評価している人は、自己評価>>他者評価となります。そのため、自分のことを周囲に正当に評価されていないと感じます。
それが悪い方向に行くと、自分の価値を周りに知らしめようと、マウンティング行為に走ってしまう場合があります。
マウンティングする人への対処法
とりあえず、褒めておく
自分が認められたと感じてマウンティングの頻度が減少することなどプラスの影響も考えられますが、逆に増長するケースも考えられます。また、自分よりも下の存在と捉えられ、集中的にマウンティングされる可能性もあります。
ですので、マウンティングへの対応策としては良い策とは言えないかもしれません。しかし、今後付き合う可能性の低い人間に対する対処法としては、精神的な負荷が少ない分おすすめですよ。
それとなくマウントし返す
ここで、重要なのはそれとなくです。全面的にマウントし返したらみっともないですからね。第三者を経由して、こっそり耳に届くようにしても良いかもしれません。
マウントを取る人からすれば、自分より上の人にマウントをしていたと気付くことになります。そうすれば、マウンティングし難くなり、マウンティングの対象が自分以外の誰かへと移動します。
圧倒的な差をつける
時間はかかりますが、圧倒的な差をつけることはマウンティング対策に極めて有効です。先ほども説明した通り、マウンティングを取りたがる人の対象は自分よりも下であると考えている人です。つまり、その人よりも圧倒的な実績・能力・地位・名誉を得れば良いわけです。そうすれば、自然とマウンティングをされなくなります。
まとめ
- 現代におけるマウンティングの意味は?
自分より下と考える人を対象とする自己満足・自己承認を目的とした非生産的な示威行為 - マウントを取りたがる人の心理状態は?
マウントを取りたがる人の心理的背景には、次の2点が挙げられます。「自己評価と他者評価にギャップがあること」又は「確固たる自信がないこと」です。 - マウントを取りたがる人への対処法は?
「とりあえず、褒める」・「それとなくマウントし返す」・「圧倒的な差をつける」の3つの方法が挙げられます。「とりあえず褒める」は行動が簡単なので楽ですが、それほど効果的ではありません。一方で、「圧倒的な差をつける」は行動に移すのが大変ですが、効果覿面です。「それとなくマウントし返す」はその間ぐらいです。
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