甥っ子よ―謹賀新年

謹賀新年

新年明けましておめでとうございます。昨年は〈てつたまblog〉を応援していただき、ありがとうございます。本年もよろしくお願いします。

皆様、新年をどのようにお迎えになられましたか?家族団欒で紅白などのテレビ番組を楽しまれた後、除夜の鐘を聞きながら年越しそばを召し上がられたり、海外や温泉などへ旅行された方など、その過ごされ方は様々だと思います。え?私ですか?私は…

ぶっ倒れてました。39℃の発熱で( ³ω³ )

いやぁ、とんだ正月でしたね。自覚症状はあまりなかったんですが、何か寒いなぁなんて思って熱計ってみたら、まさかの38℃越え…ダメだよねぇ、38°越えちゃ。39.5℃だもん。あと、4~5℃も上がったら、タンパク質、変性しちゃうよ?

正月早々、インフルエンザなんかに罹ったらどうしよう?なんて心配してたんだけど、節々の痛みも特にないし、喉がビックリするくらい痛かったから、扁桃炎かなぁとは思ってたんですが。薬も何も飲まず、ミカン3個ほど食べて寝てたら、翌日にゃ熱も順調に下がりまして、37℃ほどで落ち着きました。ミカンパワー恐るべし。去年も体調崩してた時に、ミカン2個ほど腹に収めりゃ、数時間で治るって奇跡起こしましたが、本当、ミカンすげえよ。

巷では、リンゴが良いなんて言われてるみたいですが、個人的にはミカンが最強だと思います。もちろん、リンゴも素晴らしい果物ではありますが。体調悪いと思ったら、バナナとミカン食べて寝てりゃ治ります(※注. あくまで個人的見解です。賢明な方は、お医者さんに診てもらいましょう)。

まあ新年からさんざんな目に遭いましたが、実は、のんびりと寝てられない事情もあったんです。うちの甥っ子なんですがね、子どもってのは何しようと考えてるかわからない生き物ですから、枕元に足音が聞こえる度に、おちおち寝てもいられない。そんな話です。

 


甥っ子よ

何度か話に出てきたかもしれません。そうです、4歳児ながら、愛想笑いを覚えて、後ずさりながら、私から全力で逃げて行くあの甥っ子です。祖父母の、つまり、私の兄の父母にあたる人間ですが、彼らの言うことなんかあまり聞かないクセに、私の言うことなら割と素直に聞く、あの甥っ子です。一人息子で、さんざん甘やかされて育った割に、同世代に対してはガキ大将タイプのあの甥っ子です。早いもので、彼ももう11歳くらいになろうとしてるんですね。ただ、それでも依然として、子どもの考えてることはよくわからないのです。

熱出して、2階でおでこに冷やしたタオル乗っけて、ぶっ倒れて寝てる私に甥っ子が言うわけですよ。肩をゆっさゆっさ揺すりながら。

「ねぇー、一緒にゲームしよー。」

甥っ子よ。気持ちは嬉しい。愛想笑いしながら逃げて行くお前が、年々なついて(?)くれてるのは、ひしひしと伝わる。しかし、だ。この状況を見ろ。おいちゃんは、あわやタンパク質が変性起こしそうな39℃を越える熱にやられちゃってるわけだ。お前は伊達や酔狂でおでこに濡れたタオルを置いてるとでも思っているのか?違うんだ。これはのっぴきならないことにならないように、おでこにタオルを置くという民間療法なのだ。

てか、なぜこのタイミングなんだ?今ならお前に危害を加えることはないだろうという計算あってのことなのか?それとも、下では2世代に渡っての家族が団欒してるのに、取り残された感が否めない私に対する配慮なのか?それは、優しさなのか?甥っ子よ。

まあ、しばらくすると、諦めたみたいで、ドタドタと下に降りていってくれました。まあそれで終わるようなタマではないんですけどね。再び、ドタドタと上がって来たなぁって思ったら、今度はガチャガチャ音がします。う~ん、多分鳥かごをいじってる感じの音だよねぇ。いい予感はしないよねぇ。すると、そろ~りと忍び寄ってくるような気配があるわけです。今度は何だ?と思ったら…

「はい。」

お、何か覚えがあるね、この感触。唇と頬に、若干突き刺さるような乾いた感触。あれはいつだったかなぁ~、確か去年の正月だったかお盆だったか。朝目覚めると、文鳥が寝ていた私の顔にとまって…

鳥やないかぁ~い!

おい、甥っ子よ。お前は何故に寝てるおいちゃんの顔に文鳥を置く?一応、おいちゃんは39℃の熱を出して寝てんだぞ?あ、あれか。家族団欒からはみ出たおいちゃんが寂しい思いをしてるってんで、友達を連れてきてくれたわけか。ただ、おいちゃんは寂しいわけじゃあないんだ。むしろ、今は1人でそっとしといて欲しいんだ。ナメック星のドラゴンボールがありゃ、「今は1人にしておくれぇ~」ってポルンガにうっかり願っちまうかもしんねぇ。そんな状況なんだ。だから、どうかここはお引き取りを。

誠意が通じたのか、甥っ子は文鳥を連れて去っていきました。これで平和な時が訪れる。そう思った私が甘かった。カチャカチャ。今度は何やら聞き慣れぬ音がする。すると、程なくして…

キュイーーーン

何だ!?この機械音は!?歯医者のあの恐怖を引き起こすあの音と、大きい蚊の羽音を足して、2で割ったみたいな音がする。それが徐々に近付いてきて…何だこれは?風?そう、風を感じる。心地良い風だ。春先の風に似ている。日差しが暖かく、辺りが一層春めいているのに、時折吹く、あの風だけは、冬の厳しい寒さを一筋はらんでいる。気の緩む季節に流れる警句のように。そこで、目を覆っているタオルを払い、うっすらと瞼を開けると…

ふぃ~~ん…

 

ドローンやないかぁ~い!

ビックリするわ!目の前で小型のドローンが滞空してますやん!そのドローンのプロペラから出る風が、扇風機の風みたいに、顔に吹き付けられてたんかい!

おいおい、甥っ子よ。それは優しさなのかい?39℃を越えるおいちゃんの熱をドローン扇風機の風で、冷やそうっていう。ただ、あまり寝てる病人の顔の上をドローン飛ばして滞空させるのはどうかと思うぞ。

とりあえず、うっせぇし、お年玉でもやって追い払おう。そんで、ぽち袋渡すと、ビックリしたような雰囲気で、ドタドタと階段を駆け下りてったわけです。んで、ご丁寧にも親に報告してるのが、筒抜けだ。こちとら、床に這いつくばってんだからな。

甥っ子「すげえ!貰った!お年玉!貰えると思ってなかった!」

姉「良かったね。ちゃんとお礼言った?」

なんて、ほのぼのとしたやり取りがイヤでも耳に入ってきました。確かにねぇ、経済的に成功を収めてるわけでもなく、世の中の勤め人みたく安定してるわけでもないから、懐事情は確かに苦しい…。だから、こんなおいちゃんからお年玉貰えるなんて思ってなかったんだなぁ。心苦しいねぇ…。て、

毎回やっとるわ

щ(゚Д゚щ)  💢!!

貰った恩を忘れるたぁ、我が甥っ子ながら、情けない。あいつら子どもの頭ん中、どないなっとんねん。

私は、正月からさんざんでしたが、皆様にとって、良い一年となりますように。

by    tetsu