「情報感度を高めること」、「アンテナを張ること」はビジネスにおいて重要です。
理由は、ビジネスチャンスをいち早く見つけられるからです。
その能力を高めるためには、次のような習慣が大切になります。
- 新聞や雑誌から知識を得ること
- 有識者と議論をすること
- 連想や類比で物事を予測すること
- 異なる物事を繋げて発想すること
・情報感度を高めるためのクイズ
目次
情報感度とは
情報感度の定義
情報感度とは「受信した情報をもとに思考を巡らせる」ための感度のことです。
情報感度の低い人間は、貴重な情報を偶然受信しても、何も考えられません。
一方で、情報感度の高い人間は、ある情報に触れた瞬間に様々なことを考え、その発想を持って課題を解決することが出来ます。
そのため、普通の人が思いもしないところに解決のヒントを得ることが出来ます。
具体例としては、安藤百福さんのカップヌードルにおける逆転の発想が挙げられます。
具体例①~バカの壁より~
この考えは養老孟司さんの「バカの壁」という書籍でも紹介されています。
この本の一節に東大生に対する面接の一部始終が描かれていました。
その内容を要約すると、次のような感じです。
面接での質問内容は、異なる人の同じ骨の部位を見せてどのように考えるのか?というものでした。その東大生の回答は、右より左の骨のほうが少し重いといい、養老さんは呆れてしまいました。
おそらく、その骨の大きさや形状の特徴から性別・体格・持病などを推定してほしかったのでしょう。
このように、同じ情報に接しても受け取り方が人によって変わるのです。
この本は2003年のベストセラーで、誰でも読みやすくおもしろい本なので、一度は読んでみても良いと思います。
具体例②~芸術~
私は芸術方向の造詣が皆無なので、ピカソの絵の凄さが全く分かりません。
しかし、芸術の専門家はみな一同に「天才」と彼を評価します。
これも先ほど同じことで芸術を理解する能力がないから、素晴らしい芸術(情報)に接しても何も感じることが出来ないのです。
最近この事実が悲しくなってきて、ちょこちょこ美術館に足を運ぶようになりました。
芸術方面は全く分からないという方は、さまざまな有名作品を一度に観ることが出来る「大塚美術館」がおすすめですよ。
具体例③~価格コム~
これはビジネスにおいても同じです。
雑誌などを通してビジネスチャンスになり得る情報を目にしても、何も感じられない場合があるのです。
ですから、ただ闇雲に情報収集に徹すれば良いというわけではありません。逆に、優れたビジネスマンは、日常にビジネスチャンスを見つけます。
例えば、価格コムを創業した牧野光昭さんは、秋葉原のお店を回って価格調査をする仕事をしていました。
その中で、消費者が安い商品を求めていることを実感し、同製品の価格情報を比較する「価格コム」を創業するヒントを得ました。
このように、日常の何気ないところに、ビジネスチャンスはあるのです。
具体例~自動改札機~
ほかにも、自動改札機の開発話が例として挙げられます。
当時、定期券より小さい切符を傾いた状態で挿入すると、自動改札機内で目詰まりを起こす課題に開発者は頭を悩ませていました。
その開発者が休日渓流釣りに出掛けた時に、川面を流れる笹が石に当たってその向きを変える様子を見て気が付きました。
石が笹の向きを変えるように、何かで切符の向きを変えればいいのではないかと。
その発想をもとに、偏心ローラー(岩にあたるもの)を取り付け、見事に課題をクリアしたのです。
切符が整列される様子はオムロンのFacebookでも確認することが出来ますよ。
笹が石に当たって向きを変えるように、切符の向きが変わっていることが見て取れますね。
「お店を回って価格を比較すること」や「川を流れる笹を眺めること」は、だれもが一度は経験していると思います。そんな日常にもヒントが隠されています。
そして、そのヒントを見つける力こそが「情報感度(アンテナ)」というわけです。
では、どうすれば「情報感度」を高めることができるのでしょうか?
情報感度を磨くための問題
情報感度とは「受信した情報をもとに思考を巡らせる」ための感度のことです。
この力を高めるために特に大切なのは、以下の二つの項目です。
- 連想や類比で物事を予測すること
- 異なる物事を繋げて発想すること
この能力を高めるのに有効な問題をいくつか作りましたので、チャレンジしてみてください。
第一問(青い空と飛行機雲)
かなり変わった飛行機雲ですよね。
しかし、不思議なものでこの飛行機雲に気づいた人は周囲を見渡した限りほとんどいませんでした。
これは、日常に潜むわずかな情報の変化にほとんどの人が気付いていないことを示しています。
では、本題に入りましょう。
この写真からどのようなことが推測できますか?
もしあなたならこれを見た後どのような行動に出ますか?
一度考えてみてください。
この飛行機雲には3つのおかしなところがあります。
まず、①飛行機雲の本数です。
普通は1本か2本ですよね?
なのに、この写真の飛行雲は少なくとも5本あります。
次に、②飛行機雲の色です。少し青みを帯びていて、周囲の雲とは明らかに色が異なります。
最後に、③途切れる飛行機雲です。一部の飛行機雲だけ途中で不自然に途切れています。
①②③より、この雲は飛行機雲ではなくブルーインパルスのスモークではないか?と推測できます。
ブルーインパルスは編隊飛行をしたり、スモークを出したりしますからね。そうすれば、途切れる飛行機雲や飛行機雲の本数・色の問題がすべて解消されます。
もちろん、その裏付けはgoogle検索によって確認することができます。
その後、面白半分でツイッターのタイムラインを確認しました。
すると、岡山・兵庫・大阪・京都・滋賀・三重・愛知・静岡の各所でブルーインパルスを発見したとのツイートがありました。ツイートの時刻は見事に西から順になっていました。
というように、一つの物事から様々な物事を連想することができます。
このような思考トレーニングを繰り返すことで、情報感度が高まります。
第二問(川に石を投げる)
以前、みたらい渓谷に遊びに行きました。
透明度が高く、清流と呼ぶにふさわしい川でした。もちろん、魚たちもたくさんいました。
そんな川に突然石を投げこみ、その様子を観察しました。
さて、あなたなら何を観察しますか?
私の場合
私は水面に生じる波に着目しました。
川には流れがあるため、流れ方向には波が素早く伝わり、逆方向には波が遅く伝わります。
いわゆるドップラー効果です。
それを見て、ドップラー効果が実現象として存在することを自分の目で確認したわけです。
友人の場合
一方で、友人は同じ現象を異なる目線で捉えていました。
水面に生じた波そのものではなく、波が魚にどのような影響を与えるのかについて観察していたのです。
その結果、魚は驚いて遠ざかるのではなく、水面の方向に近づくことが分かりました。その魚はおそらく獲物が波を起こしたと考えたのでしょう。
「情報感度」を高めれば、川に石を投げこむという小学生がよくやる単純な遊びでさえ考える種になり得るのです。
そして、そこに独自性が現れます。そのような状態で互いに会話をすればさらに素晴らしい発想ができるかもしれません。
まとめ
情報感度の定義は「受信した情報をもとに思考を巡らせる」ための感度のことです。
情報感度を高めるためには次のような取り組みをすると良いです。
- 新聞やネット等を通して知識を収集する
- 人との会話を通して、新しい観点を身に着ける
- 連想や類比で物事を予測する
- 異なる物事を繋げて新たな発想を生む
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