逆ロジハラことエモハラについて考えてみた

ロジハラの記事がボクの周囲で話題になっていたので、第二弾としてエモハラ(逆ロジハラ)について書いてみました。

【ロジハラとは?】具体例を交えてロジハラが起きる原因と対処方法について徹底解説

エモハラとは?

エモハラ(emotional harassment)は「感情的(≒非論理的)な言動及び行動による他者への嫌がらせ」と定義したいと思います。そもそも、エモハラなんて言葉はないから自分で定義しました。

ちなみに、ロジハラ(logical harassment)の定義は「過度な正論(論理的に正しい)による他者への嫌がらせ」を意味します。まさに、エモハラとロジハラは対極にある言葉と言えるでしょう。

まあ、なんでもハラスメントにするのは問題だと思います。ただ、他者に迷惑をかける行為を「ハラスメント」と呼ばずにして、なんと呼べばよいのかも考え物です。

エモハラの具体例

エモハラの中でも一番危険なのが、目上の人間によるエモハラです。というわけで、その具体例いくつか紹介したいと思います。そもそも、上司や教授などは自分より上の立場にいる人間は基礎能力的に優れているはずです。ということは、論理的な思考能力に関しても当然優れていると考えられます。

だがしかし、

残念ながらそうでない人間も割といます。これが厄介なんです。なぜなら、組織として意思決定を行う時に、最終的な決定権を持つ人は上に立つ人間・組織だからです。なので、部下がどれだけ正論(論理的に正しいこと)で説得したとしても、それを感情・非論理によって棄却されることがあるわけです。

東電の場合

目新しい事例だと、福島原発事故における東京電力の旧経営陣の対応ということが挙げられるでしょう。地震により生じた津波が原発に影響を及ぼす可能性に関しての報告があったのにもかかわらず、旧経営陣はそれを無視したそうです。

東電子会社が15.7メートルの津波が来ることを予測していたのにもかかわらず、旧経営陣はその数値の妥当性を疑い、土木学会に調査を依頼したらしい。

なぜ、そうなるのだろうか?

そもそも、東電の子会社が算出した数値を疑うなら、初めから子会社に調査を依頼するべきではないと思います。また、グループ会社が算出したデータを信用しない行為は、自社の信頼性を自ら貶めていることと同義ではないでしょうか?もし、専門性が足りないという理由があったならば、初めから土木学会等の学術機関に調査依頼をすべきだったと思います。

といったように、たとえ東電子会社(下部組織)がまともに機能していたとしても、その上位組織である経営陣が機能していなければ、会社としてまともな判断を下せなくなります。その結果、あのような悲惨な事故の遠因かもしれません…

参考記事:https://www.asahi.com/articles/ASLDV42JZLDVUTIL00J.html

実際に経験したエモハラ

これに関しては僕個人が体験したことです。大学院生になると大抵の研究室で学会発表をすることになります。今回の事件はその学会発表の準備段階に起きました。

~学会一か月前~

たま「学会の発表内容はこんな感じでやっていきたいと思います」
教授「それでいいんじゃない?」

~学会二週間前~

たま「よーし、発表資料ができたぞ!」
たま「カタカターン」

○○先生
発表資料が完成致しましたので、ご確認の程よろしくお願い致します。

~学会一週間前~

教授「カタカターン」

たま
発表資料を修正してください。

ここまではいたって普通の光景でした。事件はこの後に起こったのです。

~学会3日前~

教授「前言ってた発表内容やけど、あのままやったらあかんわ」
たま「えっ?」(何言ってるんや?)
教授「お前、もっと研究進んでるやろ?」
たま「あれはまだ実装段階に至っていないので、今回は発表しないと言いましたよね?」
教授「言ったなぁ~、でもそんなん関係あらへんわ」
教授「はよ資料作り直さんかい!」
たま「わかりました」

結局学会前日の夜3時ごろまで修正してましたとさ…

一か月前の会話の内容を認めながらもそれをひっくり返す行為はエモハラ(非論理的な行為による嫌がらせ)という定義にしっかりと当てはまるでしょう。このような行為をされた当事者は、モチベーションが著しく低下し、やり場のない怒りを覚えます。もちろん、指令に背くことはできませんから、嫌々作業はしますが、効率は非常に落ちます。

「社会には理不尽なことがいっぱいあるから、そんなもの耐えなくてどうする?」というお叱りも嫌と言うほどうけますが、理不尽と耐えるものではなく、変えるものだと思うのは私だけでしょうか?

まとめ

エモハラとは、「非論理的な言動及び行為による他者への嫌がらせ」を意味します。

エモハラは部下のモチベーションを著しく低下させます。その結果は、仕事の成果にも反映され、ゆくゆくは自分自身にも跳ね返ってきます。それだけでなく、具体例からも分かるように、上に立つ人間や組織が非論理的だと大変なことになります。東京電力の事例から分かるように、その影響は組織内に留まりません。それゆえに、上に立つものは責任の重さを理解して行動することが大切だと思います。

当たり前ですが、人の上に立つ者だって人間です。人間は失敗する生き物です。だから、失敗したら謝罪し、悪かったことは素直に改善すれば良いと思います。不必要なプライドを守らずに、謝るべきときは謝る。そういう姿勢が部下にも評価されるのではないでしょうか?